つくば市議会議員 金子かずお


週刊・新社会つくば
2008年6月24日 第612号 発行:新社会党つくば支部

問題となっている後期高齢者医療制度を 廃止して高齢者を含め医療のあり方を 真剣に考えることを提言する


政府は、本年4月より七十五歳以上の高齢者を対象とする「後期高齢者医療制度」を導入しました。

この制度は国会において十分な論議を保障せず、日々国民と接する地方自治体の声も聞かず、そしてなによりも当事者である高齢者の声を聞かずに政府与党が強行的に法案化したものであり、法制化した今日、採択に加わった与党の国会議員の中からも制度が不十分であるとか説明不足であるなど発言をしている方達がいます。

今日の後期高齢者医療制度をめぐる混乱は、年金引き落としの問題ばかりでなく、当事者が「これでは生活が立ち行かない」「年金天引きは許せない「国は、高齢者は早く死ねというのか」「病気になっても医療を受けるなというものだ」との怒りの声にすべて表現されていますが、あえて問題点を四つ指摘すると。

  1. 七十五歳以上の高齢者は保険リスクが高いことは承知のとおりであり、リスクの高い者だけを対象者とすることは、保険制度の論理に反するものである。

  2. 75歳以上の高齢者を単独の被保険者とすることは、結果として、家族・夫婦で相互に扶養し合うという、国の基礎単位である家庭の崩壊を促進するものである。

  3. 新しい医療制度は、保険者である後期高齢者医療広域連合は当然として、出先各自治体を含めて膨大な事務量を生み出し、その経費もまた膨大となる。それは、当該75歳以上の被保険者の保険料負担を凌駕するものであり、経費倒れの無駄な出費となる。

  4. 現在、一割の負担であるが、今後制度全体の負担料が増えれば当事者の一割負担の金額も増える仕組みとなる。

以上「後期高齢者医療制度」は、その名称の変更が問題の解決になるとは到底考えられず、今、日替わりメニューのように政府・与党は後期高齢者医療制度の根幹は変えずに保険料負担軽減策を示そうとしている状況であります。

つくば市では全体に安くなってきているようなことでありますが、そもそもこの統計を厚生労働省が後期高齢者医療に対応して調査結果を出したことに問題があると感じています。

なぜならばこの統計の基礎は従来の国民健康保険・老人保険事業の世帯を対象にして算出されたもので、細部で言えば扶養の発生、一般財源の投入、基金などで保護されている一面を持ち制度化されているが、後期高齢者医療制度は個人、個人が加入する制度であり、再調査を求める声が国会の論議に有りますが、そのとおりだと思います。

後期高齢者診療料の届出条件である研修会の開催についても、茨城県医師会では行わない。としていますし、制度にも反対をしています。県市議会議長会も減免の要望を表明しています。

さらに言えば政府・与党の修正案が示されていますが、制度の根幹は変えず期限付きの減免措置の花盛りの改正案になっていますが、いつ期限付きを廃止するのか分かりませんが半年とか一年先とか先に減免期限が廃止になれば大幅値上げになります。

このような法律はいったん廃止をして、高齢者を含め医療のあり方を真剣に考えることを提言していただきたいと思います。

つくば市議会議員 金子かずお



(c) Kaneko Kazuo 2008-