つくば市議会議員 金子かずお


週刊・新社会つくば
2008年7月1日 第613号 発行:新社会党つくば支部

金子かずお議会報告・一般質問から。

史跡・小田城について(1)


質問・金子かずお議員

小田城址は、昭和十年六月七日付で国指定の史跡に指定されたものであります。

鎌倉時代初期に小田に築城され、江戸時代には城跡は耕作地となり、一部に旗本や土浦藩の陣屋が置かれたとされています。

昭和四十八年に、区域内のうち本丸跡と一部の土塁、堀跡を除外し、都市計画法による市街化区域の線引きが行われました。

昭和六十年三月に、当時の筑波町教育委員会において、史跡小田城址保存管理計画策定報告書がまとめられた経緯もありますが、平成元年三月のつくば市議会において、私から初めて史跡小田城の保存策について取り上げ、文化財保護法と都市計画法による二つの法の網に縛られた特殊なースとして全国的に注目されてまいりました。

また、管理基準に該当する居住地の皆さんからは、国指定小田城址保存管理計画の管理基準の緩和に関する請願が提出されるなど、文化財の保護か生活圏の確保かで幾多の議論を呼び、関心を持たれ、今日を迎えております。

さて、年次計画で進められてきている史跡小田城址の保存整備についても、公有化などは、いよいよ終息期に入りつつある時期となってきている感じがします。

これまでの事業における公有化、本丸跡地の発掘調査内容、史跡としてのまとめのあり方、広報や展示の拠点としてのガイダンス、史跡小田城址の姿についての復元整備計画などについて、一定の経緯と経過も出されてきているのではないかという状況かと推測するわけであります。

そこで伺いますが、これまでの経緯と経過について、今後の進め方あるいは取り組み方針について伺いたいと思います。

答弁・柿沼宜夫教育長

小田城址保存整備事業のこれまでの経過ですが、史跡南半分の土地公有化は、本年度ひとまず終了する計画で、対象地の約九十五%、十・七ヘクタールを取得し、未相続地等が残る予定です。また、来年度に終了する計画の本丸跡、本発掘調査は、今年度約三千五百平方メートルを実施し、東側で大手口と考えられる出入り口、門や木の橋の跡などを発見する成果を上げました。

次に、今後の取り組みですが、復元整備基本計画は、来年度までの2カ年継続事業で行っています。現在、調査のまとめがほぼ終了し、復元遺構整備の手法やガイダンス施設である案内所の内容、その他の検討に入った段階ですので、具体的内容は未定の状況です。

これまでの成果といたしましては、内堀の橋を渡り、門を入ると広場があり、さらに塀や溝で区切られた建物区域や庭園を持つ京都の足利将軍邸や補佐役の細川管領邸と同じ構造になることが判明し、常陸国内で最も有力な豪族である小田氏にふさわしい城跡ということが明確になりました。

今後もこうした成果を生かすべく、文化庁ほかの関係機関と協議を進めながら、よりよい復元整備を目指す所存です。




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