つくば市議会議員 金子かずお


週刊・新社会つくば
2009年2月10日 第640号 発行:新社会党つくば支部

派遣切れで学集会


「『派遣切り』ってなあに? モノ扱いの派遣労働者を襲う『派遣切り』…そして『派遣村』誕生へ」と題して一月二十五日、茨城不安定労働組合(準)がつくば市で学習会を開催し、金子さんも参加しました。

講師は、派遣大手のグッドウィルを追い込んだ立役者であり、年越し派遣村の仕掛け人の一人でもある、派遣ユニオン書記長の関根秀一郎さんで、次のように講演しました。


派遣村とホットライン

派遣村には505名が村民登録し、ボランティアが1692名、カンパは5010万円に上った。実は、派遣村誕生には十一月二十九日、三十日の「派遣切りホットライン」が伏線になっている。

2日間で472件の電話相談があり、年明け早々にも雇用と住まいを奪われ、路頭に迷う相談が多数寄せられた。


違法な中途解約と退寮通告

派遣切りでは、労基法違反の契約中途解除の解雇と、借地借家法違反の一方的即時退寮通告が行われている。そのため、この間、派遣会社は、1回目の団体交渉で解雇と退寮通告を撤回した。

派遣会社は違法と承知の上でやっているのだ。しかし、派遣先の大手企業は団体交渉さえ受け入れようとしない、理不尽な態度に終始している。


派遣制度は必要か

派遣制度は本当に必要なのか。規制緩和論者は「派遣がなくなると仕事がなくなる」というが、実際には派遣会社が雇用を創出した例などない。

「働き方の多様性」もウソで、その日の生活にも困る劣悪な労働環境だけが待っている。「育児と仕事の両立」など夢物語で、出産が最も困難な状況になる。

まさに「需給調整」の名による「雇用調整」である。


派遣法の抜本的改正を

1986年に「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下「派遣法」 という)が施行され、99年に原則自由化、2004年に製造業にも解禁され、07年に派遣期間が最長3年に延長され、派遣労働者の拡大と労働条件の改悪が続いた。

派遣法の改正は切実であり、①派遣対象業務の専門業務への限定、②登録型派遣の原則禁止、③マージン率の上限規制、などの方向で改正しなければならない。

当面、3月に契約更新を迎える大量の派遣労働者の雇用と生活を守るために、直接雇用への切り替え要求を含め、正規と非正規の労働者の連帯、労働組合の一段の奮闘が必要だ。

また、派遣労働者は手取り10万円前後のため、貯蓄は難しく、解雇されると、①住み込み、②日払いか前払い、の2条件の就職しかできない。就業するために、一時的に生活保護が必要になる場合が多い。生活支援の運動も重要だ。


茨城ユニオンでも電話相談窓口を開設


派遣労働者を襲う『派遣切り』が続いている状況を踏まえ、茨城ユニオンでは一月二十三日に電話相談の窓口を開設して、労働相談日を行なった、

当日は、派遣労働者の駆け込み的な急を要する相談は無く、賃金の未払いに対する相談などの問い合わせがありました。




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