つくば市議会議員 金子かずお


週刊・新社会つくば
2009年5月19日 652号 発行:新社会党つくば支部

P3実験施設を備えた霊長類医科学研究センター視察


つくば市八幡台にある独立行政法人医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センターへの市民査察を4月10日、つくば環境と人権のための市民会議(中嶋スミ子代表)が実施され、つくば市議の金子かずお議員、牛久市議会議員の杉森弘之議員も参加しました。

同施設は06年から現在の法人になったもので、以前は国立感染症研究所筑波医学実験用霊長類センター。P3実験施設(「P3」とは、4クラスに分けられた危険度の中で、クラス3という高い危険度の病原体を扱う実験施設のことで、「仮に感染した場合には致命的になる可能性のあるもの」と規定されています)などを備えています。

安全面で危惧も

霊長類センターには現在、約190頭の実験用サルが飼育され、P3実験施設の中では86頭で病原体の実験をしていますが、89年から90年にかけてサルの大量感染事故(ヘルペス)が発生しています。

今回の査察では、独立行政法人化したことにより、危険な実験をしているにもかかわらず、警備も含めて人員が削減、非正規雇用化され、安全面で危惧を感じました。

科学の暴走に注意

私は、多くの識者の指摘する通り、「科学=人類の夢の実現、科学=進歩」という時代は過ぎたと思います。 原爆に象徴されるように、科学があまりにも進歩した現在、科学が暴走する危険、科学が人類を滅亡させる危険性に注意しなければなりません。


つくば環境と人権のための市民会議で総会と記念講演会を開催


農水省・農業生物資源研究所は、スギ花粉症緩和米の開発について、厚生労働省から「食品」ではなく「医薬品」であるとの指摘を受け、今年の野外栽培を中止しています。それでも現在、医薬品として共同開発を担う民間資本との提携を模索している様子。

地球温暖化防止という大義名分により、世界中に広がりつつあるバイオ燃料。

米国が国家戦略としてその普及に乗り出したことから、その原料となるトウモロコシの価格が高騰。これが熱帯雨林を破壊し、食料の需給バランスを壊しつつあります。これらのトウモロコシの主流は、遺伝子組換えによるものであります。

国内では栽培されていないはずの遺伝子組換えナタネが、日本各地で自生していることが相次いで確認され、在来種との交雑による遺伝子汚染も懸念されています。

遺伝子組み換え作物の野外栽培の禁止を!遺伝子組み換え作物なんかいらない!。これらの取り組みを地域で具体的に対処していくため、医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センターや理化学研究所筑波研究所などに市民査察を繰り返し、「遺伝子組み換え作物の栽培に係る対応方針」を策定しているつくば市役所には研究機関の野外実験における基準の巡視を求めた活動を推進しています。

つくば環境と人権のための市民公議では、5月17日に総会と「遺伝子組換え食品いらない!キャンペン」の天笠啓祐さんを迎え講演会を開催しました。




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