つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2010年5月25日 第701号 発行:新社会党つくば支部

[金子かずお議会報告・一般質問から]

史跡小田城跡について


質問・金子かずお議員

ひとつの集落に、国の史跡指定と都市計画法の二つの法の網がかけられたことから、様々な地域課題に併せて生活権の問題と史跡小田城跡管理基準や史跡発掘整備など各種課題に長年にわたり取り組んできています。

その発掘調査の成果に基づき復元整備基本計画をまとめ、整備工事に着手してきており整備工事もこれから更に5~6年間かけて引き続き進められるようになると思われますが、これまでに実施された調査内容について伺いたい。


答弁・教育委員会事務局長

今年度実施した発掘調査内容につきましては,城跡中心の本丸・内堀跡の面的な本発掘調査が昨年度に終了しましたので,現在,未解明な周辺部分の確認 調査を実施しております。堀や土塁の規模,それらが囲む曲輪と呼ぶ広場の形態等の把握が目的で,本丸内堀の南外から北東にかけて調査をいたしました。

その結果,曲輪の中間付近で内堀と中堀を結ぶ細い堀跡や,その曲輪と外側をつなぐ虎口と呼ばれる出入口等,新たな発見が相次いでおります。


質問・金子かずお議員

次年度から実施される事業概要について伺いたい。


答弁・教育委員会事務局長

事業概要につきましては,今年度から復元整備工事に着手し,現在,本丸への出入口である南西部の馬出しと呼ぶ小区画の復元を行っており,又水(みず)堀(ぼり)の流末となる排水路も整備しております。

なお,来年度以降の事業ですが,本丸そのものの堀,土塁,庭,池等を立体的に復元するとともに,案内所を建設したりして,市民が憩える歴史ひろばを整備するとともに,未解明部分の確認調査も併せて実施していく予定であります。

これらに関連しまして,事業内容を周知していただくためのシンポジウムを去る二月二十日日に開催し,市内外から約三百名近くの参加者があり,盛り上がることも出来た次第であります。


質問・金子かずお議員

史跡小田城跡は、当時の様子がよく残っていることや、関東地方や茨城県南部の歴史を考える上で重要な城跡であることから、一九三五年(昭和十年)に国の史跡指定を受けたものであります。

史跡小田城跡は、関東地方の南朝方の拠点時代に北畠親房を迎え「神皇正統記」が随筆されたとされておりますが、北朝軍に攻められるなど戦火を幾度と無く繰り返してきていることが発掘調査の遺構面などで確認がされています。

史跡小田城跡周辺の歴史的景観の魅力は地名に中世の名残をとどめたものも多くあると聞きますし、付近の石造物などを見ても中世の歴史的景観の地として復元が期待できます。

これまでも調査経緯について年二回程度の報告会が現地で開催され、先般も開催されたシンポジウムも二回程開催をしてきています。

そのことは、史跡小田城跡に関心を持つ多くの関係者に期待がある証しであります。

引き続き予算を確保して整備工事に努力をしていただきたいと思います。




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