つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2011年4月5日 第743号 発行:新社会党つくば支部

東日本大震災


地震・津波・原発の被害で三重苦

 未曾有の大惨事となった東北関東大震災は5日で26日目を迎えるが、地震・津波・原発の被害が重なり、被災者は三重苦の状況で途方にくれ、被災地全体では災害復帰の目途が見えない状態となっています。



 大きな被害を受けた岩手県、宮城県、福島県の沿岸部などでは涙をこらえながら身内や遺留品を捜す姿が後をたちません。

 ライフラインの復旧も遠く、避難所での日常生活もままならない状況が一部で続いています。

 そんな中、福島第一原発からは放射線量が拡散してきている状況も報告され、「自主的に避難をすることが望ましい」などの声もあり、不安を抱える周辺の人々は途方にくれている。


つくば市でも被害が続出する

 つくば市内では平静を取り戻してきていますが、これまでの被害を見ると、被害の通報では、死者1名、負傷者が13名、上下水道漏水が101件、市道路破 損が245件、水路破損が13件、床下浸水が1件、家屋の半壊が7件、家屋の一部損壊が1,772件、崖崩れが5件、塀の損壊849件、公共施設の被害が 119件(3月31日現在)となっている。

 また、国・県道の破損も10件以上となり橋梁の通行止め、道路陥没で通行止め箇所も出ている。 

 福島第一原発の放射線量被害の不安で避難する人々の受け入れについて、県の施設である洞峰公園体育館や国際会議場の施設に受け入れていましたが、4月からは洞峰公園体育館に一元化され、つくば市では不足が無いように支援をしてきています。


つくば市災害復旧に5億円を計上

 つくば市は今回の大震災に関連して、市内の災害復旧費として5億円を予算化して復旧に取り組みます。


世界の原発事故


 周知の通り、世界初の重大原子炉事故はイギリスで1957年に発生したウィンズケール火災事故であり、1979年にアメリカのスリーマイル島で世 界初の重大原発事故が発生し、1986年には、ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で世界最大の原発事故が起きました。炉心溶融(メ ルトダウン)ののち爆発し、広島に投下された原子爆弾に換算して約500発分に相当する量の放射性物質が撒き散らされ、汚染範囲は直径1200キロで日本 列島がすっぽり入るくらいとなりました。

 ソ連政府は事故から36時間後にチェルノブイリ周辺の区域から住民の避難を開始し、およそ一週間後までに30km以内に居住する全ての人間(約11万6千人)が移動させられました。


チェルノブイリは30㎞

 ベラルーシでは2万5000人が亡くなり、ウクライナでは230万人もの人びとが放射能被害により病気になっている。

 事故後5年目の90年に14歳以下の年齢層にがんが急増し始め、現在では成人の甲状腺がんが増え始めている、といわれています。


東海原発の被害試算

 実は日本でも、初めての商業用原発である東海発電所が運転される直前の1960年、当時の科学技術庁の委託を受けて、日本原子力産業会議が科学技 術庁原子力局に文書「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」を提出し、東海原発で最悪の大事故が起こった場合に、農業制限地域が長 さ1千㌔以上に及び、損害額は当時の金額で1兆円以上と予測しています。


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 この記事は、3月19日、午後2時から郡山市災害対策本部(開成山野球場内)にて、原発事故に対する郡山市の原正夫市長が記者会見した原発廃炉発言の内容に意義あるものとして、新社会つくば版に掲載をしました。

郡山市災害対策本部 本部長
         原 正夫 郡山市長の発言


 今回の災害にあたりましては、全国各地から温かいご支援をいただき、心から感謝と御礼を申し上げます。

 郡山市民の避難状況につきましては、懸命な復旧活動の結果、当初の約1万人から約3千人に減少をしております。

 しかし、原発の事故に伴い、県内各地からの本市への避難者数は、5,000人以上となっており、避難されてきた方々は、大変不便をしております。

 特に、病気の方々に対しましても、本市の医療関係機関に懸命な対応をしていただいておりますが、医療品等に不足が生じつつある状況にあります。

 大震災発生以来、私は、職員はじめ関係者の方々と市民の安全・安心の確保のため、全身全霊を持って対応してまいりました。

 原発事故に関しましては、今日まで、国と東京電力の事故に対する対応のあり方について正確に情報を把握することができませんでしたが、本日の新聞報道を見て大変驚きました。


 国と東京電力は、郡山市民、福島県民の命を第一とし、原発「廃炉」を前提に対応しているものと考えておりましたが、国・東京電力は、今後の産業・経済を優先し、「廃炉」を前提としたアメリカ合衆国からの支援を断ったことは言語道断であります。

 私は、郡山市民を代表して、さらには、福島県民として、今回の原発事故には、「廃炉」を前提として対応することとし、スリーマイル島の原発事故を 経験しているアメリカ合衆国からの支援を早急に受け入れ、一刻も早く原発事故の沈静化を図るよう国及び東京電力に対し、強く要望すると同時に、この件に関 し、海江田経済産業大臣に直接電話で要請いたしました。

 また、佐藤県知事、佐藤県議会議長及び渡辺いわき市長などと電話連絡をとり、市民あげて、さらには県民の方々と一緒に国と東京電力に強く訴えたいと思います。

 お集まりの報道機関の皆さまにおかれましては、この趣旨をご理解いただき全国民の皆さまに、さらには、全世界の皆さまにこのメッセージを報道していただきますようよろしくお願いいたします。




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