つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2011年4月26日 第746号 発行:新社会党つくば支部

つくば市議会6会派で申し入れ
震災での見舞金&修繕費の無利子貸付けを


 東日本大震災で被害の大きかった地域の死亡者の多くが津波による水死が92.5%に上ることが警察庁の調べで判明しました。

 阪神大震災では、住宅の倒壊や家具の転倒などによる窒息死や圧死が主であつたが、東日本大震災のほとんどの被害者が津波のために命を絶たれたものとなりました。

 各自治体では、自然災害により住宅が全壊するなどし、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対して支援金を支給する国の制度として被災者生活再建支援制度がありますが、この制度が対象とならない程度の被害の家庭も多く、幅広い支援を求める声があります。

 つくば市議会の三月定例議会に、橋本佳子議員、永井悦子議員、田宮直子議員、塩田尚議員、金子かずお議員による「東日本大震災の被害者を援助する決議」 を共同提案し、「住宅修繕の無利子貸し付け制度と見舞金を被災者に出すことを求めた決議」案を提出しましたが、反対多数で否決されてしまいました。

 しかし、塀や瓦、液状化など市内でも多くの被害が出ていることに鑑み、つくば市議会の親政の会、民主党、つくば・市民ネットワーク、日本共産党、 新社会党、愛してる、つくばの6会派は共同して19日に「災害見舞金と住宅修繕費の無利子貸し付け制度の創設を求める申し入れ書」をつくば市に申し入れま した。

 当日は、つくば市保健福祉部長が対応されましたが、申し入れの実施については今後の検討となります。

 申し入れ書の内容は左記のとおりです。


申し入れの内容


つくば市長
市原 健一様

2011年4月19日

災害見舞金と住宅修繕費の無利子貸し付け制度の創設を求める申し入れ書

親政の会/民主党/新社会党
/つくば・市民ネットワーク
/日本共産党/愛してる、つくば

 東日本大震災では、つくば市内でも多くの皆さんが被害を受けました。

 市内の被害状況を見ましと一部損壊の被害がほとんどです。現行制度の中で支援を求めても、対象になる世帯はほとんどありません。稲敷市や龍ヶ崎市などでは、制度からもれてしまう多くの世帯に対して災害見舞金を支給する対応がすすけられています。

 また、やりくりに苦労しているときに襲った大震災です。修繕に多くの費用がかかり途方にくれています。

 つきましては、市としても被害者の皆さんへのお見舞金と住宅修繕費の無利子貸し付け制度の創設を求め申し入れします。



 この申し入れには、橋本佳子議員、田中サトエ議員、永井悦子議員、瀬戸裕美子議員、田宮直子議員、塩田尚議員、ヘイズ ジョン議員、金子かずお議員が同席し、申し入れ書を保健福祉部長に手渡しました。


震災復興税論に異議あり!負担能力を持つ大企業と高額所得者の負担で財源を


 20兆円にも上ると想定される東日本大震災の被害総額が想定されているが、被災者の救済や復興財源をどうまかなうのか注目されてきました。

 菅総理が発足させた「復興構想会議」(議長・百旗頭真防衛大学校長)が14日に初会合を開き、その中で議長は復興財源として「震災復興税」を提起し、その後の記者会見で「国民全体で負担」していくべきとの認識を示しました。 

 これまでも復興財源として復興連帯税や特別消費税構想が打ち上げられていましたが、ついに正式な議題となる見込みです。

 消費税になるのか所得税として負担するのかは、まだわかりませんが、国民全体で助け合い、負担し合うというのは共感を生みやすいものですが、新社会党はこの間に大きな減税の恩恵を受けてきた大企業と高額所得者への増税でまかなうべきだと考えます。 


貧困と格差を拡大しないで

 なぜなら、それは現在が貧困と格差社会にあるという事実をまず直視する必要があるからであります。

 1997年以来、労働者の年収は約60万円も減り、一方で大企業の内部留保は約220兆円も増やして、約430兆円に達しています。

 国民全体でというのなら、労働者や中小企業にも分配されてしかるべき利益が、大企業に集中してしまっているのではないでしょうか。  

 年収200万円に届かないワーキングプアといわれる働く貧困層は2009年で1100万人に上ります。

 この人たちの生活苦を放置して、さらに税負担を強いるのでしょうか。これらを直視せずに菅総理は5%の法人税減税を行おうとしています(未成立)。


消費税総額の28%輸出戻し税の停止で財源を

 まさに本末転倒ですが、この考え方の延長に今回の「震災復興税」構想があります。

 しかし、たとえば消費税制の中に立派な財源があるのです。

 それは輸出戻し税といわれる輸出還付制度で、その額は年間3兆4千億円弱(22年度予算、消費税総額の28%)、上位10社だけで約8千億円(湖東京至関東学院大学教授の試算では)も企業の口座に振り込まれているのであります。

 巨大な利益を上げてきたこれらの輸出大企業は、せめて震災復興期間だけでもこれを停止して社会的責任を果たすべきではないでしょうか。

 また、「オールジャパン」というなら、前述の膨大な内部留保を取り崩して、これまで大企業が国民に育ててもらった恩返しをすべきだと新社会党は考えます。

 被災者も負担する消費税増税は論外であります。


 「4月自治体選・ここが問題こう考える」を週刊新社会の本紙一面で9回にわたり連載してきました。内容は長南 博邦(野田市議会議員)党本部自治体委員長が素案してきました。

 貧困社会の深まりの中、憲法25条第1項は当時の社会党が挿入させたという事実の発見は貴重なものでした。また、原発震災は起こしてはならず、未 然に防ぎたかったのですが、原発がコントロール不能になったらいかに恐ろしく、広範にその影響を及ぼすかということが明らかになりました。

 生活と雇用、社会保障や環境問題等々、その解決に向けて課題もますます明らかになりました。




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