つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2011年9月6日 第763号 発行:新社会党つくば支部

原発と事故の歴史

 杉森弘之議員の牛久史談会での「原発の開発と事故の歴史」について報告を引き続き掲載しました。

③原子力災害・事故の歴史


 原子力災害・事故で顕著なことは、その被害の甚大さ・悲惨さと共に、その発生数の多さと多様さ、安全より利益優先の実態、繰り返される隠蔽、捏造、改ざんの歴史です。

(1)原発事故被害の甚大さと悲惨さ

 様々な原子力災害・事故の中でも、原発事故は最も頻繁に起こっており、そして事故被害の甚大さと悲惨さは突出しています。

 1986年4月26日のソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発4号機暴走・爆発事故は、放射性物質が気流に乗って世界規模で被曝をもたらしました。作業 員・救助隊員だけでなく、がんなどの疾病を含めると、死者は数万から数十万にのぼるとされており、25年経った今も戻ることはできません。


(2)頻繁で多様な原子力事故

 原子力事故は下記の通り、極めて多様に発生しています。
①原発事故は原子力事故の中でも最も多数、最も大きな被害を出しているもので、1952年にカナダのNRX炉で世界初の原発事故が発生してから、1979年3月28日の米国スリーマイル島原子力発電所で炉心溶融事故などをはじめ、国内の重大な事故だけでも14件に達する。
②原子力関連施設事故(再処理施設、原子力関連会社など)は、1957年9月29日のウラル核惨事が最初で、ソ連ウラル地方カスリ市のほど近くで兵器(原 子爆弾)用プルトニウムを生産するための原子炉5基および再処理施設を持つプラントで起こった事故です。プルトニウムを含む200万キュリーの放射性物質 が飛散しました。直後の10月10日には、英国ウィンズケール火災事故が世界初の原子炉重大事故として発生しています。
③原発燃料・廃棄物・原爆・水爆輸送中の事故も、1961年に米国の戦略爆撃機B52が空中分解し水爆2個落下、1971年に米国テネシー州でトラック事故で原発燃料容器が転落、1975年に英国で使用済み燃料を積んだ貨物列車が脱線転覆事故など、多発しています。
④原子力潜水艦・原子力船事故も、1963年に米パーミット級原潜「スレッシャー」沈没で129人が死亡し、1961年にはK-19(ソ連海軍初の原潜、ホテル級原子力潜水艦)で一次冷却系の圧力低下によって事故が発生し10名が死亡するなど、頻発しています。
⑤戦争では、広島・長崎の被爆をはじめ、1954年の米のビキニ水爆実験で第五福竜丸など多くの漁船員らが被爆するなど、核兵器実験の被害者も少なくありません。また、中東戦争などで劣化ウラン弾の使用による被曝が問題になっています。


(3)安全よりも利益優先

 原発の安全神話とは裏腹に、原発の稼動実態は、安全よりも利益優先です。1988年1月13日福島第一原発6号機のタービン建屋で火災事故 運転を止めませんでした。

 1999年9月30日 東海村JCO核燃料加工施設臨界事故は、バケツでウランを沈殿槽に入れるなどという規定無視によるものです。

 耐用年数も、福島第一原発は当初10年の見込みが、1号機が40年、2号機が37年、3号機が35年経過しています。最も早くメルトダウンを起こしたのが1号機というのも理解できます。それをさらに60年に使用などという無謀な計画が進んでいます。

 稼働率も、経年劣化により故障・事故が多発しているにもかかわらず、民主党は稼働率を90%にアップする安全無視の方針です。

 検査の省略化も、安全を犠牲にして稼動率アップが目的で強行されています。


(4)繰り返される隠蔽、捏造、改ざん

 原発建設を強行するために、そして安全神話を守るために、様々な隠蔽、捏造、改ざんが繰り返されてきました。1978年11月2日に東京電力福島第一原子力発電所3号機で、日本最初の臨界事故が発生しましたが、29年後の2007年3月22日まで隠蔽されました。

 公聴会、シンポジウムでの「やらせ」は以前から続いてきたものです。

 実在しない「強固な岩盤」を宣伝し、活断層の存在を抹殺する「活断層殺し」がほとんどの原発建設の際に行われ、今新たに津波対策をすれば安全などという安全神話が出てきました。



広瀬隆講演会
脱原発を語る

 福島原発事故は今も現在進行中です。

 原発の安全神話は崩壊し、原発事故の破壊性と制御不能性を、日々示しています。

 広瀬さんはすでに昨年、『原子炉時限爆弾』を執筆し、原発震災の危険性を強く指摘してきました。

 今回の講演では、進行中の原発震災の実態、放射能対策のあり方、そして今後の電力の現実的なあり方なども講演します。

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【日時】9月11日(日)13時開演
【会場】土浦市民会館大ホール
【参加費】前売券500円
* 講演会終了後に、周辺地域でパレードも予定しています。

前売券は金子かずおまで




9月定例議会が始まる


金子かずお議員の一般質問の内容

 9月議会で、金子かずお議員は福島第一原発事故に関したつくば市内の被害対策や支援対策、節電対策、電気料金の低減策(電力自由化)などについてと ACCS放送について質問します。特に電力の自由化(低減)については、2005年4月1日より、電力自由化によって、電力需要者の6割に相当する、 50KW以上の高圧契約をする需要者(例えば工場、ビル、役所、学校など)は、特定規模電気事業者(PPS)約50社から自由に選び、安い電気を購入する 事が、出来るようになりました。

 仕組みは、需要者がPPSと電力受給契約を結び、PPSが10電力会社、つくば市でいえば東京電力などに、電気託送料を支払って、東京電力などの送電網 を使って、需要者に電気を送るということです。電力自由化により特定規模電気事業者との契約で安価な電気料金になった自治体の例もあるので提起をしたい。

 また、ACCS放送は独自のケーブルネットワークを使って、つくば市の皆様にテレビサービスとインターネット接続サービスをご提供しています。としているが、地域限定などもあり、他市のケーブルテレビと同じ状況でないことに関して市の考えと対応などを提起したい。




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