つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2011年11月 広瀬隆講演会報告号 発行:新社会党つくば支部

脱原発しかない


 広瀬隆講演会「脱原発を語る」は、9月11日、土浦市民会館大ホ-ルを満席にする1200名の市民が結集し、要旨以下のような中身の濃い講演を聞くことができました。金子さんもスタッフとして参加しました。


福島第一原発事故

・事故の時系列は下記の通りです。
3/11 11:46 大地震発生
3/12 15:36 1号機で水素爆発。原子炉建屋が吹き飛ぶ。
3/14 11:01 3号機が水素爆発。原子炉建屋が吹き飛ぶ。
3/15 朝   2号機の格納容器内で爆発。
    06:14 4号機の使用済み燃料プールで爆発。原子炉建屋が吹き飛ぶ。


津波原因説の誤り

 政府・東電そして国際機関IAEAは、今回の原発事故の原因を、津波だけに歪曲しようとしています。それは、津波だけでなく、地震が原因となれば、この間の国内54基の原発の耐震性見直し作業の価値が、すべて吹き飛んでしまうからです。

 元原発設計技師の田中三彦氏が指摘するように、実際にはこの大地震の第一撃によって、原発の圧力容器にも穴が開いた可能性があり、緊急冷却装置も含め、圧力容器につながる配管や配線などが破断した可能性が高いのです。

 だからこそ、圧力容器から水素が漏れ、水素爆発が起こったのであり、原子炉建屋だけでなくタービン建屋でも高濃度の放射線被曝が起こり、地震からわずか半日後までに容器の圧力が下がったのです。

東海第二も危機一髪

 この地震で、東海第二原発も危機一髪の状態でした。地震の2分後に自動停止しましたが、外部電源が遮断。非常用発電機3台で海水ポンプを動かし、炉心冷 却システム2系統を起動しましたが、30分後の津波で、発電機1台とシステムの1系統も使用不能に。そのため、冷却が十分進まず、地震から7時間後の時点 で、原子炉内の水温は200数十度、圧力は約67気圧と、通常の運転時とほとんど変わらない状態に。安定停止状態になったのは、3日半後です。

 東海村の村上村長は、東海第二の再稼動は認められない、保安院はひどすぎる、国は福島原発の周辺住民を“棄民”にしている、36万人の子どもたちの健康も守っていない、と述べています。


危機的状況は進行中

 福島第一原発事故の危機的状況は進行中です。

 循環型冷却といいながら、注入している水と回収されている水の量の差はかなり大きく、高レベルの放射能に汚染された水が大量に地下に浸透し、海に流れ込んでいるのです。

さらに以下の3点の大きな危険性が想定されます。
①再臨界を起こして暴走する。
②燃料が炉底を破って格納容器内に大規模に落下し、底の水が水蒸気爆発する。
③強烈な放射線によって水が分解し、大量の水素が発生して水素爆発する。


余震も連続地震も怖い

 3月23日の大きい余震で、女川原発は震度6強、外部電源のほとんどが停止し、残る1系統でかろうじて冷却しました。東通原発1号機も外部電源が途絶 え、非常用発電機1台がかろうじて稼動しました。六ヶ所再処理工場では、外部電源が遮断され、非常用電源でかろうじて核燃料貯蔵プール、高レベル放射性廃 液が冷却されました。

 また、さらに大きな余震だけでなく、連続した巨大地震の発生が危惧されます。

 東芝や日立などのOBが、10年で36人も保安院に再就職し、自社の原発を検査していたそうです。再稼働に向けたストレステストをやるのも、この連中で、結果は明白です。


放射能汚染の恐怖

 事故後、ドイツ放射線防護協会は、乳幼児、青少年は1㎏あたり4ベクレル以上のセシウム137を含む飲食をしないよう提言。

 日本は500ベクレルという高い基準で、危険な食品が流通しています。チェルノブイリ事故では、死亡者のうち半分が子ども。

 ベラルーシのゴメリ州では、事故後の甲状腺癌の発症率は1千倍に上昇しました。ミンスク市では、脊髄損傷、脳性麻痺、水頭症などの障害児の出生率は25倍で、健常児は15~20%です。心臓や肺の疾患は非常な数に達しています。


ECRC癌発生予測

 ヨーロッパ議会の中に設置された調査グループ「ヨーロッパ放射線リスク委員会」(ECRC)は、福島原発事故による癌患者の発生予測を「100km圏内 では今後50年間で19万1986人、その内、今後10年間で10万3329人が癌を発症する。100km~200km圏内では、今後50年間で22万 4623人、その内、今後10年間で12万0894人が癌を発症する」と公表しました。茨城県は後者に入ります。これには内部被曝が考慮されていないの で、実際にはさらに多いことになります。


「電力が足りない」はウソ

 「電力が足りない」と政府や電力会社は宣伝していますが、全国54基全部の原発を止めても、他の発電能力で十分確保できます。

 他方で、今すぐすべてを自然エネルギーに代替しようとしても無理があります。発電の主力はガスです。日本には4段階のタービンで発電する世界最高のガスタービンがあります。

 すでに総電力消費の20%は自家発電で供給されています。今すぐ必要なことは、真の電力自由化であり、送電事業の分離です。




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