つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2012年1月1日 第779号 発行:新社会党つくば支部

新しい年をいかがお迎えしましたか


 昨年、3月11日の東北地方太平洋沖大地震では未曾有の被害を受け、東北三県はいまだ復旧の見込みなく、多くの被災者は全国各地で新しい年を迎えています。

 私は現在、文教福祉常任委員会、議会報編集委員会、安心・安全調査特別委員会、議会改革に関する調査特別委員会に所属しています。

 特に昨年はバス路線の充実や通学路の改善・充実について努力を重ねてまいりました。

 今年の11月には市議会の任期満了を迎えますが、引き続き議会や地域で「福祉の充実と住みよい町づくりをめざして」の活動を市民の皆さまと共同作業で市政の改革に全力を尽くすことであります。今年も一所懸命に努力を重ね奮闘してまいる所存であります。


脱原発・電力自由化で自治体の電気代を節約しよう


電気料金の低減の取り組みを

電力会社には、一般電気事業者と呼ばれる10の電力会社の他に、卸電気事業者の電源開発と日本原電の2社、卸供給事業者の独立系発電事業者の IPP(Independent Power Producer)特定電気事業者、そして特定規模電気事業者これがいわゆるPPS( Power Producers and Suppliers)ですが、これら多様な電気事業者が存在しています。


2005年から国が進める電力自由化

 2005年4月より、電力自由化により、電力需要者の6割に相当する、50KW以上の高圧契約をする工場、ビル、役所、学校など需要者は、PPS約50社から自由に選び、安い電気を購入する事が出来るようになりました。 

 仕組みは、需要者はPPSと電力受給契約を結び、PPSは電力会社、例えば東京電力に、電気託送料を支払って、電力会社の送電網を使い電気を送るということです。

 原発を抱えた東京電力から、原発を抱えないPPSに変えることで、原発に依存しない安心できる町づくりに役立つものと確信しています。原発料金は安いと 長年国民に発信してきていましたが、原発は価格の高い電気であると指摘されてきています。原発を抱えないPPSに変えることで電気料金の軽減が図られてい る事実があります。


導入の先進地、立川市は大幅に電気代が節約

 立川市ではPPS契約を結び電気料金の低減に取り組んでいます。2010年度の立川競輪場の電力購入先として、東京電力を含む4社の見積もり合わせで、 サミットエナジー株式会社を選び、その結果、前年の73%の料金で推移し、1年間で1,700万円の電気代節約ができた。

 2011年度も、電力供給見直しを進め、計53施設を3グループに分けて、それぞれPPSと契約。1kw時あたりの単価が、東電と比較して18%から25%も安くなった。

 PPSの利点は価格の安さだけでなく、従来通りの電力の電気を使用しますので、信頼性も品質も損なわず、しかも初期投資は「O円」ということです。

 仮にPPSが倒産したら電気は止まるのかとの心配も生まれますが、東京電力は「託送供給約款」によリ、バックアッブ電源として位置付けされており、その まま送電されますので心配ありません。トラブルが発生した場合、送電網や設備は全て、東京電力の財産であり、東京電力が責任を持って対応します。

 県内でのPPSとの契約は、あまり例がないとも聞いていまが、水戸地方法務局の9施設で契約されています。電気料金の低減化のために削減できる費用はとことん削減すべきです。


電力供給契約で国は入札を推進中

 2009年1月22日の大臣官房会計課長名による電力供給契約における入札の実施の通達では、2008年12月1日に行政支出総点検会議で取りまとめら れた「指摘事項」において、行政効率化推進計画に基づく行政効率化の取組みの一層の徹底が求められたことを踏まえ、平成20年12月26日に環境省行政効 率化推進計画が改定された。その中で「電力供給契約については、契約電力50kW以上の契約全てについては入札を実施する(ただし、当面、沖縄県内その他 特殊な事例を除く。)その際には、環境配慮契約法に基づくいわゆる裾きり方式による入札を実施する。」ことが新たに盛り込まれた。

 今後、当該規定に基づき、契約電力50kW以上の電力供給契約については、原則裾きり方式による入札を行なうこととなるが、その参考として、添付資料の とおり、入札公告例、入札説明書例、環境省入札心得、契約書案、仕様書例、競争参加資格確認関係書類例、二酸化炭素排出係数・環境への負荷の低減に関する 取組みの状況に関する条件例を作成したので、これらを活用して、適切な契約事務に務められたい。と通達を出しています。


最初の導入は経済産業省からスタート

 経済産業省は、2000年に官公庁で初めて電力調達入札を実施しました。入札には3社が応札して、結果PPSの企業が落札し、前年と同一使用量とした場 合、金額では約1,000万円4%程度電力低減することができたと聞きます。5年後に電力自由化になり、電力需要者の6割に相当する、50KW以上の高圧 契約をする需要者は、PPSから安い電気を購入する事が、出来るようになったものです。

 つくば市は、低炭素社会を目指した環境都市づくりに取り組み、 二酸化炭素排出量を削減しようとしています。その取組みも重要ですが、電気料金の低減策は、福島第一原発事故の放射能汚染でもわかるとおり、原子力にたよらないエネルギーを優先した考えになるかと思います。


つくば市の施設でもPPSの導入を

 全国各地で官・民の取組みが進んでいます。岐阜県内で活動中の「電気をカエル計画」の資料では、名古屋市で約2億円、新城市では約400万円の経費節約 が紹介され、東海3県では、愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市、豊田市、豊橋市、新城市、設楽町、豊根村などでも電力の切り替えが行なわれている。

 2011年9月の市議会で、私の質問に対し、PPSの契約が出来る50KW以上の高圧契約可能な施設は約67施設あることが判明し、市原健一市長も積極的に調査研究を表明した。

 その後開催された12月議会の答弁では、一般電気事業者以外からの導入について特定規模電気事業者数社から参考資料を取り寄せ導入に向けての調査研究を重ねていると答弁がありました。

 結果的には、PPS電力の導入で原発電力の使用を減らせることにつながります。




(c) Kaneko Kazuo 2009