つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2012年2月14日 第784号 発行:新社会党つくば支部

霞ヶ浦の放射能汚染を防ぐために


アサザ基金が県知事に要望

 霞ヶ浦の自然を回復させるために活動しているNPO法人アサザ基金(代表理事・飯島博)は1月31日、橋本昌茨城県知事に対し、以下の「霞ヶ浦の保全と防災に関する緊急の要望」を提出しました。参考までに内容を掲載します。

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霞ヶ浦の保全と防災に関する緊急の要望

 昨年発生した震災や原発事故により霞ヶ浦も大きな影響を受けています。とりわけ現在は、流域全体に降下した放射性物質の湖への移動と蓄積や湖周辺での液状化現象等が懸念されています。迅速な対応を要望します。

 先頃発表された東京湾の現況調査によれば、東京湾に流入する河川内や河口部に放射性物質が蓄積している箇所が見つかり、流域から徐々に湾内へと放射性物 質が移動している実態が明らかになっています。この状況が放置されると、数年後に湾内の汚染がピークに達することが予測されています。

 霞ヶ浦は東京湾より以上に閉鎖性が高く、その閉鎖性は常陸川水門(逆水門)の閉鎖以降さらに高くなっています。このような状況で、流域に降下した放射性 物質が5本の流入河川を通して徐々に移動し湖に集積することで汚染が進めば、今後水道水の利用等が困難になるなど取り返しのつかない事態が生じる恐れがあ ります。なんとしても避けなければなりません。しかし、後で示すように早急に対策を講じることでこのような事態を未然に防ぐことは可能です。

 さらに、現在霞ヶ浦を管理する国土交通省霞ヶ浦河川事務所は、水位を上昇する管理を行うために逆水門の放流量を減らしており、これにより湖の閉鎖性をさらに高めることで、湖内での放射性物質の蓄積を助長させています。

 また、この水位上昇管理は、震災による堤防破損の復旧していない中で行われています。茨城県南部を含む広範囲の直下型地震は4年間以内に高い確率で起き ると予測されている状況では、極めて危険な無謀な行為と言わざるを得ません。高水位時に地震が起き、破堤した場合には甚大な被害が予測されます。

 次に、国交省霞ヶ浦河川事務所が実施している水位上昇管理(高水位管理)は、湖の周辺地域の地下水位を高めることで、液状化現象の発生リスクを高め被害 を拡大、甚大化させる恐れがあります。特に農業による地下水の汲み上げ量が減少する非灌漑期10月~3月は地下水位が通常でも高くなるため、この期間に湖 水位を上昇させることは危険です。実際に、以前からこの期間に実施された湖の水位上昇管理時には、湖周辺各地の農地で地下水が滲み出る現象が起きたり、今 回の震災で液状化被害が大きかった潮来市ではアヤメ園の地下水位上昇によってアヤメの根腐れが起きたため対策が講じられた事例があります。

 水位上昇管理は、今から50年以上も前の水需要予測に基づく計画(霞ヶ浦開発事業の運用によりそれまでより30㎝水位を上昇させる)によって実施されて いるものですが、現在では計画策定当初の水需要予測を大きく下回り水余りが生じている状況です。このように水需要に余裕がある中で、敢えて震災被害のリス クを高める恐れのある水位上昇管理を継続する必要はありません。

 以上の理由から、私どもは茨城県に対して、県民の命と健康、生活そして自然環境を守るために、以下の項目を早急に実施されるよう要望を致します。

 -1-
流入河川56本の全域での放射性物質の分布状況について詳細な調査を早急に実施すること(雨水調整池を含む。)

 -2-
上記の調査結果を速やかに公表すること。

 -3-
河川および河口等において放射性物質の蓄積が確認された箇所での除染(浚渫等)を早急に実施し湖への放射性物質の流入集積を防止すること。

 -4-
霞ヶ浦を管理する霞ヶ浦河川事務所に対して、逆水門の放流回数を増やし湖水の滞留時間を減らし流動性を増す管理を実施し、湖内への放射性物質の蓄積を防止する措置をとるよう申し入れること。

 -5-
霞ヶ浦河川事務所に対して、湖内での放射性物質の蓄積を助長する恐れがあり、直下型地震によって破堤や液状化が生じ甚大な被害を及ぼす恐れのある水位上昇管理を中止するよう申し入れること。

 -6-
上記の措置を早急に進めると共に、放射性物質に対する対策の長期計画と、流域レベルでの市民と行政との恊働による長期モニタリング体制を、市民参加のもとに作成すること。

 以上、6項目について、2月15日までに文書にてご回答ください

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東海第二原発廃炉に向けて申し入れ


 自治体議員団会議では、2月1日に土浦市内で研修会を開催し、2日には東海村にある日本原子力発電の東海第二原発を視察、再稼動をさせず廃炉にするよう申し入れを行なった。

 当日は、岩中伸司自治体議員団議長(福岡県議会議員)が、福島原発事故によって原発は危険で、高価格、不必要であることが明らかになったなどを指摘し、日本原子力発電東海事務所の沢畠克己副所長に東海第二原発を再稼動させず廃炉にするよう申し入れ書を行なった。


広瀬隆つくば講演会


 東海第2原発の再稼働を許さず、廃炉にすることを求める10万人署名活動に取組み中ですが、「東海原発廃炉から始まる新時代」と題して、作家の広瀬隆さ んが東海原発の危険性と廃炉の必要性について、分かりやすく講演してくれることになりましたので、多くの皆さんの参加をお待ちしています。

【題目】「東海原発廃炉から始まる新時代」
【講師】広瀬 隆さん
【日時】3月20日( 火)  午後2時より
【会場】つくば国際会議場 大ホール
【費用】前売り券1,000円 金子かずお迄




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