つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2012年3月27日 第790号 発行:新社会党つくば支部

[金子かずお議会報告・一般質問から]

農業・食品産業技術総合研究所作物研での
不適切 実験について


質問・金子かずお議員

 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所の不適切な実験についてであります。

 作物研究所においてカルタヘナ法に基づく拡散防止対策が不十分のまま遺伝子組み換え実験が行われたことが判明いたしました。

 しかも、問題発生から2カ月も過ぎて市への報告と聞きますが、その実験内容と市への報告、今後の対応についてお尋ねをしたいと思います。


答弁・経済部長

 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所の拡散防止対策が不十分であった実験についてお答えします。

 この実験に関する市への報告につきましては、昨年10月18日に電話で、また、10月20日には独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構、以下農研機構とさせていただきますが、農研機構理事長が来庁し、報告を受けております。

 実験の内容は、遺伝子組み換え手法により塩基配列の分析を目的とした大豆生理特性関連遺伝子の大腸菌への導入と培養を行うものでございました。

 次に、実験の状況につきましてですが、実験室入り口付近の廊下にある培養器を使用して遺伝子組み換え大腸菌の培養を行ったこと、実験中に実験室の扉が閉 じていなかったこと、実験室の扉に遺伝子組み換え実験中である旨の表示がされていなかったことなど、カルタヘナ法に基づく適切な拡散防止措置をとらずに 行っていたものでございます。

 これらの報告を受けまして、市としましては、昨年の10月19日に、つくば市記者会を通じてプレス発表を行い、10月27日には、つくば市遺伝子組み換 え作物栽培連絡会を開催して作物研究所から説明を受けるとともに、説明資料を市ホームページに掲載して市民へ情報提供を行いました。

 また、10月20日、農研機構理事長来庁時には、市長から直接口頭で厳重注意と市等への迅速かつ的確な連絡体制構築の申し入れを行い、11月1日には、 農研機構及び主務官庁である文部科学省と農林水産省に対し、再発防止対策の徹底、迅速かつ的確な連絡、指導監督の徹底等について文書による申し入れを行い ました。

 今後の対応につきましては、作物研究所を含めた市内研究機関と緊急時の迅速な連絡体制構築等を盛り込んだ覚書等を交わしていくことを検討しているところでございます。


質問・金子かずお議員

 私は昨年の6月議会で、事実でありますから会社名を挙げて恐縮ですけれども言いますが、エーザイ株式会社つくば研究所で遺伝子組み換えウイルスの不適切使用の問題も指摘をしてきております。

 そして、その年の12月議会と今年の6月議会で、独立行政法人農業生物資源研究所で遺伝子組み換え稲栽培の天窓が一時的に開放された事件が発生したことについても質問をいたしております。

 しかし、例えば天窓が開放されたことについては、いまだに実態が明確にされていないというようなことは事実としてあるわけであります。

 市長も再三にわたって厳重注意を繰り返してきておりますが、それにもかかわらず同じような管理上の事件が発生しています。

 市は、研究機関が事件を繰り返さないよう、国の関係機関に厳しく対応されることが求められるわけでありますけれども、そのように文書等で出しているとい うことでありますから、それはそれとして大変いいことだというふうに思いますが、今回の地震のような大きな災害が茨城県南部地区に襲ってきた場合に、この 地には原発はありませんけれども、研究にかかわる危険物がたくさんあるわけでありますから、それが二次災害を起こすというようなことを想定したときに、こ のような管理能力で市民は安心できるのだろうかということを強く感じておりますが、いかがかお尋ねしたいと思います。


答弁・経済部長

 研究機関の管理体制が不十分であるのではないかというご質問ですけれども、今後、市内の研究機関と緊急時の迅速な連絡体制構築を盛り込んだ覚書を交わしていくことを検討しております。

 その中で、各研究機関に対して、意識改革及び再発防止の徹底等を要望していきたいというふうに考えております。


質問・金子かずお議員

 文科省や農水省に再発防止の申し入れを行ったりしている、あるいは覚書を取り交わすということで市としては臨むということですから、それはそれとしてよ ろしいかというふうに思っているわけですけれども、例えば私が今まで何回か質問をした経緯の中で、必ずその後、協定書とかを結んでいっているケースもある わけです。

 しかし、こういう形態での管理になってくるということになると、つくば市の思いがどれだけ通じているのかなというところがあるというふうに思います。

 そういうことでありますので、機会があるたびに促すというのも、何かこれ以上策がないのかなという感じもしてきますが、そういうことではなくて、きちっと規則を守ってやること。

 先ほどの関係機関からの説明では、廊下の方に置いてあったところでやっているなんていう話を聞きましたら、これは昔JCOでバケツの中で作業工程をやっていたと同じですよね。

 このようなことでは、とてもご近所で住めないような状況になって、関係の地域での土地の値段にさえ影響出てくるような話になってきてしまうと思います。

 そういうことで、私は、機会があるたびに注意を促すということも重要だというふうには思いますが、もう少し真剣に市の申し入れ、あるいは関係機関の注意に耳を傾けるという姿勢を持ってもらいたいと、ここで強く発言をしていきたいというふうに思っております。
(一部年度を加筆しています)


新年度人事を発表
総務部長に沖田浩前保健福祉部長が就任へ


 今回の異動総数は419名となり、総務部長に沖田浩氏、保健福祉部長には前次長の野尻正博氏が就任し、保健福祉部次長には新たに教育委員会総務課長の吉場勉氏が就任され、教育委員会事務局長には財務部次長の大里吉夫氏が就任した。

 また、議会事務局長の退職に伴い、中嶋美雄次長が局長に昇格した。

 今年度新規に採用された職員は34名でした。




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