つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2012年11月20日 第819号 発行:新社会党つくば支部

蓮井誠一郎氏講演 


憲法を生かす会・茨城は「平和憲法の集い」を11月3日、水戸市で開催し、金子議員もスタッフとして参加。集会では、『やっかいな放射線と向き合う』と題して、茨城大学准教授の蓮井誠一郎さんが以下の通り講演しました。


福島原発事故は「構造災」

 昨年の3/11福島第一原発事故は、天災でも人災でもなく、社会の仕組みがもたらした「構造災」である。

 開発主義に基づく際限のないエネルギーを求める社会、原発を求め、自らの平和な暮らしへのリスクを抱え込みながらも、リスクに敏感な人々の運動を無視 し、電源三法による豊かな財源を用いた偏った地域開発を推進してきた地元の政治家と住民、そんな地域経済とそれに直結した地域経済の構造が生み出したもの だ。


放射線の危険性

 放射線の影響は潜伏期間がある。数週間以内の急性影響は、被曝した器官や組織の細胞が死ぬことによって起こる。数カ月以上の晩発性影響は、細胞内に修復不能な“傷”(突然変異)が残ることによって起こる。

 特に、年齢による放射線影響の現れ方の違いは大きく、子どもが被曝した時に20歳までにガンを発症する確率は通常の20倍の可能性がある。


放射線の健康影響

 放射線影響による健康問題は、ガンだけではなく、様々な部位の器官臓器の疾患(チェルノブイリ原発事故被災者の子どもに多発する心臓の変形・疾患は「チェルノブイリ・ハート」と呼ばれる)、慢性疲労や、寿命の短縮などが報告されている。

 しかも、健康影響は次世代にも及ぶことが、ウクライナ政府の報告によって示されている。


内部被曝は20Bq以下に

 ベラルーシのBELRAD研究所では、子どもの内部被曝は、体重1㎏あたり20ベクレル(Bq)以下を健康の基準としている。(牛久市のホールボディ カウンタ検査は300/㎏以下は不検出とされる。)セシウム137が子どもの体内に50 Bq/㎏蓄積されると、器官や臓器に病的変化をもたらす(心血管系、神経系、内分泌系、免疫系、腎臓、肝臓、眼など)。

 体内の放射性セシウムの検査には、尿検査をお勧めする。(甲状腺エコー検査、血液検査などの方法もある。)


予防原則、マイアミ宣言

 放射線の問題にはタブーは禁物である。放射線を気にする人と気にしない人の双方の考え方を尊重する必要がある。

 そして、水俣病などの大規模公害の反省から出された「予防原則」(リオ宣言第15原則)は、「取り返しのつかない被害の恐れがある場合、科学的な因果関係が証明されないからという理由で、対策を延期してはならない」としている。
(映画「チェルノブイリ・ハート」より)

 さらに、子どもの健康をまま折るための国際的合意として、「十分な情報がない場合には、子どもの健康を守るために、予防原則あるいは予防的アプローチをとる」と宣言されている。

 子ども被ばく影響が十分に解明されていない現状では、予防的対策をとるべきである。


水俣病の経験に学ぶ

 水俣病では、地域漁民は魚の汚染を知った後でも、「風評被害」を恐れ、「うちの魚は大丈夫」と魚を獲り続け、売り続け、自らも食べた。村の外から魚を買うと、周囲から仲間はずれにされ、これを恐れて食べ続けた。水俣病について語ること自体がタブーになった。

 その結果、子どもを含む多くの人が病を発症した。しかし、患者だと知られて、結婚や就職で「ミナ」と差別されることを恐れ、県や国が賠償するための健康調査も拒んだ。

 生活のため、やむなく賠償を受けた場合も、地域の評判を傷つけた裏切り者扱いされ、賠償額の違いなどでも、村の人間関係は悪化した。幼なじみや親族同士でも争いが絶えなかった。

 今回の被害も似た傾向があるのではないか。過去の事例から学び、子どもたちのために最善の選択をしよう。


衆議院解散・総選挙


 野田佳彦内閣は16日に衆議院を解散し、12月4日公示、16日の投票を決めた。

 総選挙で退潮予想される民主党からは多くの離党者が相次ぎ、第三極の結成を目指した流れが続いている。


つくば市議会


新議員で12月4日から開催

 つくば市議会は、30日に議会・全員協議会、会派代表者会議等が開催される予定となっております。

 12月定例議会は4日から始まり、議長・副議長の選出。常任委員会の委員、議会運営委員会の委員、議会報編集委員会の委員の選出及び委員長・副委員長の選出が予定されています。

 5日には、市長より補正予算案や議案の提案があります。




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