つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2012年12月11日 第822号 発行:新社会党つくば支部

総選挙が公示される②


今回の総選挙での政治的争点は、①脱原発、②反消費増税、③反TPP、と大きく3つあります。今号では消費税問題に焦点を当ててみます。

財政再建はウソ

 マスコミでは「日本の財政再建の為には増税もやむなし」という議論一色となっていますが、これは全くのデタラメです。

 消費税の増税をすれば必ず内需が激減して、逆に税収が落ち込むという「逆相関」の税制だからです。

 1%の消費税増税で増える収入が2兆円だの2.5兆円だのと言われますが、これは真っ赤な嘘です。

 実際に下表のように、1997年に消費税が3%から5%に上げられた時、消費税による税収は1兆円も増えなかったうえ、逆に所得税や法人税が減少し、トータルの税収は3.8兆円も減りました。

 そして、それ以来デフレが続き、現在も日本の国家財政の収入は97年度の水準を下回ったままです。

 消費税が5%に上がった翌年、日本で初めて自殺者が年間3万人の大台を超えました。景気悪化により、中小企業の倒産が増え、大企業でもリストラが加速した事で、自殺する人が増えたからです。

 もし消費税を10%以上に上げれば、自殺者は5万人を超えるとの予想も出ています。

1997年の消費税増税で税収は減少(単位:兆円)

 

消費税

所得税

法人税

合計

1997年

7.46

20.71

13.50

41.67

1998年

8.42

17.42

12.02

37.87



財政破壊の危険性

 日本の場合、財政状況は財政当局がいうほど悪くなく、10年くらいで財政再建する必要性はありますが、急に行えばかえって財政再建自体ができなくなる危険性があります。

各国のCDS

 米国

0.4%

 英国

0.7%

 ドイツ

1.1%

 日本

1.0%

 フランス

2.2%

 イタリア

5.5%

 ポルトガル

11.0%

 ギリシャ

100%

 先進国各国の財政状態はどの程度深刻なのか、右表のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の数字が一つの参考になります。

 これは各国政府が破綻した時に国債の損失をカバーするための保険料ともいえ、その国の国債の危険度に応じた数字になっている。

 これらの数字に単純化したイメージを与えるとすれば、米国は200年間、英国は120年間、ドイツ、日本は100年間、フランスは40年間、イタリアは20年間で、ポルトガルは9年間で、それぞれ1回程度のデフォルトの危険性ということなる。

 これらの数字を見る限り、日本の財政状態は、日本経済の潜在力や政府資産の大きさなどから、欧州の国ほど深刻ではなく、欧州で緊縮政策が否定されている中で、日本が増税政策を採るべきではありません。


経団連の狙い

 経団連は消費税の増税に反対の立場でした。

 風向きが変わったのは、奥田碩氏が経団連の会長を務めていた2003年頃からです。

 奥田会長は、法人税の減税が本来の目的で、その分の財源の穴埋めとして消費税の増税をしろと述べているのです。

 つまり、自分たちがもっともうけたいので、足りない分は庶民から搾取しろ!という主張なのです。

 消費税は逆累進性の税制ですから、庶民から搾取するにはうってつけの税制です。

 高額所得者の減税と合わせて、法人税を下げさせることが経団連の狙いです。

 日本の法人税率が高いという主張もまやかしです。

 同じ先進国・G7の経済大国同士を比べると、アメリカも日本と同じ約39%の法人税率です。

 カナダやフランスやドイツなども30%を超える税率ですから、日本と大差ありません。

 また、法人税の減税は国際競争力を高めることはなく、創業者など大株主が得をするだけです。


輸出戻し税

 経団連のも一つの狙いは輸出戻し税です。

 企業の売り上げの内、外国への輸出では消費税は取れないので、その分の仕入れ原価に掛かる消費税分が国から還付される仕組みのことです。

 しかし、大企業では、往々にして下請け企業に消費税分の負担を押しつけています。

 消費税分は、実は最初から下請け企業が自腹を切っているというケースが非常に多く、輸出戻し税は大企業が労せずして儲かり、逆に中小企業は損をする、中小企業泣かせの制度に過ぎません。


[つくば市議会]

金子かずお議員を議長に選出


 12月定例議会で行われた議長選挙では、「議長選挙についての確認書」に基づき会派間の協力で、金子かずお議員が議長に選出されました。



電力社員の議員=99人


内91人は会社からも給与

 原発を持つ全国の電力会社9社に、現役社員のまま地方議員になっている「社員議員」が99人いることが朝日新聞の取材でわかった。

 うち91人は議員報酬とは別に会社から給与を受け、さらに関西電力や東北電力など6社の52人は議会活動で会社を休んでも有給となる「特例」を受けていた。

 電力会社の社員議員の多くは、地元議会で「脱原発」の意見書に反対したり、地域で原子力の勉強会を開いたりするなど、原発を推進する会社の方針に沿った活動をしている。

元は電気料金から

 家庭向け電気料金は、発送電に必要な「原価」を見積もり、電力会社に利益が出るように計算する「総括原価方式」で決まる。

 経済産業省は料金値上げに際し、電力会社に人件費の精査を求める方針だ。

 近く値上げを申請する関電など各社は、特例などの見直しを迫られている。

多額の政治献金も

 一方、政治資金収支報告書によると、99人の社員議員のうち90人の資金管理団体や後援会が、労組のつくる政治団体から10年までの3年間で総額6億円の献金を受けていた。

 (11月25日 朝日新聞から)





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