つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2012年12月17日 第823号 発行:新社会党つくば支部

低線量放射線の危険


崎山比早子さんが講演

 「低線量放射線のリスクはなぜ過小評価されるのか=国会事故調査で見えたこと」と題して12月1日、国会事故調査委員会の委員の崎山比早子さんの講演会が筑波学院大学で開催されました。

 脱原発ネットワーク茨城の主催によるもので、市民約300人が参加し、熱心な質問が出されました。

 当日は牛久市の杉森弘之議員が共同司会を務めました。

 崎山さんの講演の概要は以下の通り。


広島原爆3万5千発分

 3/11福島第一原発事故は終わっていない。核燃料が現在でも6基の原発の炉心に257㌧、冷却プールに1,508㌧、共用プールに1,060㌧など、総計2,184㌧残存しており、広島原爆63㎏の約3万5千発分に相当する。

 新たな大地震の可能性が指摘される中、このような大量の核燃料が破壊された原発の中に貯蔵されている危険性は想像を絶する。


放射線がDNAを破壊

 人間の成人の身体は約60兆個の細胞からなっているが、細胞の中の細胞核に存在し細胞及び身体の設計図ともいわれるDNAが放射線によって損傷され、ガンの原因となる。


100mSvで0.5%ガン死率上昇

 しかし、福島第一原発事故後に発表された低線量放射線被ばくのリスク評価はまったくでたらめなものだ。

 政府や原子力安全委員会、文部科学省、福島県立医大副学長などは、「100mSvの被ばくで0.5%のがん死率が上昇するが、証明は困難」としているが、これがBSE(狂牛病)などで1,000人に5人も死んだら大騒ぎになるところである。


100mSv以下でも発がんリスク

 しかも、「100mSv以下の発がんリスクを証明することは困難」という評価もでたらめである。

 実際には、日本の原爆被爆者の障害追跡調査によって、100mSv以下でも発がんリスクがあり、しかも線量の上昇に伴って直線的にそのリスクが上昇することが報告されている。

 この調査は、約87,000人を対象に1950年から2003年までの追跡調査であり、対照群は爆心地から3Kmから10Km圏内で、平均被ばく線量は200mSvで、50%以上が50mSv以下というもので、まさに低線量被ばくの調査に適したものである。


100mSv以下でも発がんリスク

 「がん以外の疾患は引き起こさない」というのも、事実に反する。

 上記の調査では、100mSv以下でもがんだけでなく、心臓血管系、呼吸器系、消化器系、泌尿器系などの幅広い疾患が線量に比例して増加することが報告 されている。チェルノブイリ事故では、先天性異常、脳神経系、免疫力低下、内分泌疾患、心臓血管系、若年性老化などの症状も報告されている。


放射線規制の強化を

 自民党政権の時代に特に顕著だが、東電や電事連は、自然災害のリスクをシビアアクシデントの起因要因としてではなく、原発の規制強化や裁判でのマイナス要因としてとらえてきた。

 そのため、地震などのリスク評価も低く抑えるために、地震学者を含む規制当局に働きかけてきた。

 放射線のリスクについても規制強化を極力避けるように、放射線専門家と含む規制当局に働きかけ、現在でも続けている。


12月議会


金子かずお 一般質問は
議長に選出され取り下げる

 先月の30日に提出していた一般質問は、議長に選出されましたので、取り下げることになりました。尚、参考のために通告した内容は以下のとおりです。


◎つくば市長選挙について

質問主旨・・・

 当選人は選挙によって選ばれる事とし、通常、有効投票の最多数を得た者が当選者となるとしている。
 今回の市長選挙は、当日有権者163,489人、投票総数89,163人、投票率54・54%、市原市長36,010票、他候補合計51,562票であった。

 当選者より他候補の合計票が多いが、定められた上記の選出方法から見て問題は無い。

 しかし投票率が50%を切るような状況が発生すると、これで良いのか疑問を持つ。

 選挙制度について。


◎特別支援学校を震災時に避難場所とすることについての進捗状況について

質問主旨・・・
 東日本大震災発生を受け、特別支援学校も避難施設となった事例ですが、その後、県内の自治体でも関係機関との協議が整いつつある学校も出てきています。

 昨年12月議会で市内の特別支援学校との災害時支援対策、いわゆる避難場所について質問をしてきているが、これまでの進捗状況について。


◎小・中学校のトイレ改修について

質問主旨・・・
 保護者より小・中学校のトイレ改修の要望を強く受けるが、各学校のトイレの現状と今後の改修策のスケジュールについて。


◎東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律について

質問主旨・・・
 今年6月21日に成立した通称「原発事故子ども・被災者支援法」は、東京電力福島第一原発の事故によって、被害を受けている子ども達や住民に対する「避難の権利」を認め、健康面や生活面を支えることを目的に作られた画期的な法律です。

 成立から6カ月ですが、「原発事故子ども・被災者支援法」はまだ実施されていません。

 具体的な政策が実施されるのはこれからであります。

 被害者の声を反映させ、より良い支援策を実現する必要があり、この法律を活かすには市民の力が必要です。

 つくば市内にも多くの方々が福島県を中心に避難をしてきています。

 支援対象地域に指定されると、被災した子ども達の健康調査をはじめとする様々な行政サービスを受けられます。

 国は年内をめどに基本方針を策定する予定でありますが、総選挙と重なり、動向が心配であります。

 市としてこの法律の内容充実のために取り組むことについて。


◎通学路対策について

 質問主旨・・・
 先般、市内で集団登校中に児童が車に接触する事故が発生しました。

 これまで議会でも特別委員会を設置し危険箇所の調査を行なってきていますし、市では、市内53小中学校からの危険箇所の緊急安全点検を実施してきている状況であります。

 これらを踏まえ通学路の安全確保の対策は重要でありますが、対策について。




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