つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2013年4月23日 第839号 発行:新社会党つくば支部

議会基本条例・議会運営で視察


 つくば市議会議会運営員会では、4月16日から18日の三日間にわたり、先進的に議会改革に取り組んできている福岡県の北九州市議会、山口県の防府市議会と山口市議会への行政視察を実施した。

 つくば市議会では、議会改革の推進や議会基本条例を策定し、市民福祉の増進に取り組むとして議会改革を行い、質問の方式も総括質問方式から一問一答方式 に変え、傍聴することなくインターネットで議員の一般質問、議案質疑を配信するなど、これまでに改革を進めてきていました。

 しかし、議会基本条例など議会改革の基本となることになる基本条例については制定するまでに至っていませんので、昨年の議会選挙前の9月定例議会で、引き続き議会改革を推進することを議決してきています。

 それらを踏まえ、3月議会では議会活性化特別委員会が設置されました。

 今回の視察は、各会派から構成されている議会運営委員会で、平成23年10月1日施行の北九州市議会、平成23年4月1日施行の防府市議会、平成21年4月1日施行の山口市議会への視察となりました。

 以下に取り組みや進めてきた経緯を掲載します。


◎北九州市議会での取り組み

 条例策定の背景に、平成12年の地方分権一括法の施行を機に、市議会では平成22年3月に議員で構成する「議会基本条例検討会」を設置し、条例の制定に 向けた検討を行い、議会や議員の役割及び活動原則、議会と執行機関との関係、議会と指紋との関係などを明確にし、市民の福祉の増進及び市勢の発展に寄与す ることを目的に条例化をした。


◎議会基本条例検討会を設置する

 北九州市議会では、検討会を立ち上げ9回の会議と1回の視察を行ってきていますが、検討会では条例に盛り込むことがらなどの意見を取りまとめるために小委員会を設け、各章ごとに意見交換を行い条例案にしてきた。

 尚、小委員会は平成2年4月から始まり23年の8月までの期間に27回の開催と視察を1回実施してきている。

 委員会では、議員へのアンケート調査、条例検討会設立の趣意書、議会基本条例お素案の検討、市民説明会、条例素案への意見募集など討議内容を重ねてきた。


◎議会報告会の開催

 議会の報告会は、予算特別委員会と決算特別委員会の終了する2月の定例会と9月の定例会の終了後に市内3区で行ってきた。

[議会改革の報告は次回に続きます]


筑西市議会議員補欠選挙


内田哲男さん13,025票で当選する

 4月14日に行われた筑西市長選挙と同時に行われた市議会議員補欠選挙(定数2)で、新社会党公認で立候補した内田哲男(元)さんは次点と19票差の13,025票を獲得し当選を果たしました。


生活保護基準の大幅引下げ


日弁連が反対の声明

 日本弁護士連合会(山岸憲司会長)は3月26日に生活保護基準切下げで反対の声明を発表した。


過去最大規模の引下げ

 現在、平成25年度予算案(以下「本予算案」という。)が衆議院で審議中である。

 本予算案には、生活保護の生活扶助基準額を平均6.5%、最大10%引き下げる内容が含まれ、これによって生活保護世帯の96%について受給額が減るという。

 1950年の現行生活保護法制定以来、生活保護基準が引き下げられたのは2003年度(0.9%)と2004年度(0.2%)の2回だけであり、今回の引下げは前例を見ない過去最大の規模である。

 本予算案は、生活扶助基準の見直しによって3年間で総額670億円を削減するものである。

 そのうち、90億円は社会保障審議会生活保護基準部会(以下「基準部会」という。)における検証結果を踏まえて、年齢、世帯、人員、地域差による影響を調整するとされており、580億円は「前回見直し(平成20年)以降の物価の動向」を勘案して削減するという。


消費支出の動向を無視

 しかし、基準部会の検証結果を理由に生活保護基準の引下げを行うことが許されないことは、既に、本年1月25日付け「社会保障審議会生活保護基準部会の報告書に基づく生活保護基準の引下げに強く反対する会長声明」において指摘したとおりである。

 それに加えて、本予算案は、削減額のほとんどが物価動向を理由としている点において、看過しがたい重大な問題がある。

 すなわち、1984年から今日に至るまで採用されている生活扶助基準改定方式である「水準均衡方式」は消費支出の動向に着目する方式であって、物価の動向を勘案するものではない。

 物価動向の勘案という、生活扶助基準改定方式の根本的な転換を行うのであれば、社会保障審議会(少なくとも基準部会)における慎重な検討を経ることが不可欠であるが、そのような検討は一切なされていない。


生活保護世帯を直撃

 また、この間の物価下落の主因は、家具・家事用品費及び教養娯楽費(特に家電製品)の大幅下落にあり、食料費の大幅な下落は見られず、光熱・水道費は高騰している。

 生活保護世帯は一般世帯に比して、食料費や光熱・水道費が家計に占める割合が大きく、教養娯楽費が占める割合は小さいことからすると、生活保護世帯が物価下落の恩恵を受けているとは言えない。

 仮に、物価動向を勘案するのであれば、少なくとも、こうした生活保護世帯に特有の支出割合を考慮する必要がある。

 しかし、厚生労働省が今回採用した「生活扶助相当CPI(物価指数)」は、一般世帯における品目ごとの支出額の割合をそのまま使っている上に、家賃、診 療代、自動車、授業料等の生活扶助に該当しない品目の支出割合を除くことによって分母が減り、例えば教養娯楽費の支出割合が一般世帯以上に大きくなるな ど、生活保護世帯と一般世帯の支出割合の乖離がむしろ増幅されることによって大幅な引下げをもたらす結果となっているのである。


安倍政権の強引な手法

 厚生労働大臣が生活保護基準を決定するにあたっての裁量判断の適否について、平成24年4月2日最高裁第二小法廷判決は、「判断の過程及び手続に過誤、 欠落があるか否か等の観点から、統計等の客観的な数値等との合理的関連性や専門的知見との整合性の有無等について審査されるべき」としている。

 かかる判断基準に照らせば、基準部会における検討も一切経ないまま生活扶助基準改定方式を根本的に転換し、検討されている物価指数の数値にも合理性が認 められない生活保護基準の引下げが行われた場合、厚生労働大臣の判断には裁量権の逸脱・濫用があり違法であるといわねばならない。

 当連合会は、これまでも繰り返し生活保護基準の引下げに反対する意見を表明してきたが、改めて憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準である生活保護基準の引下げに強く反対するものである。




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