つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

金子さん町を歩く 133 ウェブ版
【「金子さん町を歩く」広報委員会】
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◎緊急雇用対策について

質問・金子かずお議員

国は「国民の一人一人が安全と安心、生きがいを実感できる社会」を実現する上で最も重要な基盤となるのは雇用の確保であるとして、緊急雇用を実施してきております。

しかし、いまだに我が国の雇用情勢はまだまだ非常に厳しい状況下にあるといわれており、つくば市でも緊急雇用対策事業についての取り組みが進められている最中ですが、これまでの取り組みと現状についてお尋ねしたい。

答弁・経済部長

日本経済は混迷し、いまだ出口の見えない状況下、国等の交付金等を積極的に活用しまして、地域経済の活性化に向けた取り組みは喫緊の課題であります。

平成22年度施政方針の中での景気・雇用対策につきましては、経済危機対策臨時交付金、公共投資臨時交付金、きめ細かな臨時交付金の3交付金を活用しまして、事業に取り組んでいるところであり、地域経済の活性化に寄与しているものと考えております。

このほか具体的な雇用対策としましては、「緊急雇用創出事業」としまして、平成21年度は「地区案内板撤去事業」等10事業で28名の雇用を生み出し、本年度は今回の補正を含めまして10事業で21名の雇用の創出を予定しております。

また、「ふるさと雇用再生特別基金事業」では、平成21年度から23年度までの事業で1年につき18名ずつの雇用を創出します。

なお、雇用環境の改善に向けて、今後とも積極的に事業化に努め雇用拡大に取り組んでまいりたいと考えております。

質問・金子かずお議員

緊急雇用についてでありますが、景気が大変厳しいという認識を出されておりますけれども、全くその状況だと思っております。

勧めている施策は期間が限定されている雇用制度でありますので、それらを踏まえた上で取り組みが進められるのだろうと思っておりますけれども、そういう方向性を改めてお尋ねをしたい。

答弁・経済部長

今後の方向性ということでございますが、本事業につきましては、平成23年度が最終年度でございます。

ですから、つくば市経済雇用対策本部会議等でしっかりと議論を積み重ねまして、今後ともしっかりと取り組むことができますよう、この事業の推進を図ってまいりたいと考えております。


◎エーザイ筑波研究所の
遺伝子組み換えウイルスの不適切な使用について

質問・金子かずお議員

エーザイ(株)筑波研究所の遺伝子組み換えウイルスの不適切な使用についてお尋ねしたい。

文部科学省は5月14日(H22年)、遺伝子組み換え生物の取り扱いに不適切な点があったとして、北海道大学と製薬会社のエーザイ(株)を遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に違反したとして厳重注意をしました。

それに伴い、つくば市は、5月14日の夕方、エーザイ(株)筑波研究所の遺伝子組み換えウイルスの不適切な使用についての事態の内容を発表しました。

この件は、本年3月、遺伝子組み換えウイルスを含む可能性のある廃棄物を法的に処理せずに廃棄したことが判明したわけであります。

実験等で使った器具や洗浄廃液を処理せずに処分していたものと推察しますが、経緯、内容について伺いたい。

答弁・環境生活部長

エーザイ(株)筑波研究所の遺伝子組み換えウイルスの不適切使用についての経緯、内容についてお答え申し上げます。

本事案は、エーザイ(株)筑波研究所におきまして、遺伝子組み換えウイルスを用いた実験で使用した実験機器、実験器具を洗浄した廃液、実験器具の廃棄物の 一部を、研究員の認識不足から、社内規程に定められている不活化処理を行わず産業廃棄物として外部処理していたことが、3月3日に判明したものです。

当該実験の内容でございますが、P1レベルのもので、同社では事態発生後、実験に使用した培養液と同じサンプルを用いました検定試験を行い、その結果、遺伝子組み換えウイルスは検出されなかったとのことであります。

このことから、同社では、今回廃棄された洗浄液等に遺伝子組み換えウイルスが含まれている可能性はなく、一般環境に与える影響はないというふうに判断をしております。

なお、発生日の翌日、3月4日に監督官庁の文部科学省に対し、遺伝子組み換えウイルスの不適切処理を報告しております。

5月14日、同省より再発防止のための措置を徹底するよう厳重注意を受けております。

また、同日、エーザイ(株)筑波研究所より、つくば市に対し事案の報告がございましたことから、市ではその内容を公表したところでございます。

質問・金子かずお議員

発生した日、それから、文科省に報告した日、つくば市に報告された日ということで述べられておりますが、これは新聞紙上などでも発表されて、実験内 容等についてはP1レベルということでありますので、大きな課題になることではなかったということでありますけれども、つくば市はさまざまな企業と協定を 結んだりしていることでありますから、2カ月ぐらい過ぎてからの報告ということでありますので、そういうことではいかがなものかなと思っております。

また、近くには住宅地もありますし、安全の立場から、それらを検証する必要があるのではないかと思っておりますので、それらについて改めてお尋ねしたい。

答弁・環境生活部長

エーザイ(株)筑波研究所での事故の周辺住民への安全・安心確保のための市への速やかな報告ということでございますけれども、エーザイ(株)では、本年3月3日に不適切処理を把握していたにもかかわらず、市への報告は2カ月以上たちました5月14日でした。

このことから、つくば市では同社に対し、遺憾の意を示すとともに、再発防止の徹底と速やかな報告を指示しました。

同社からは、対応の確約をいただいたところでございます。


◎史跡小田城について

質問・金子かずお議員

史跡小田城でありますが、一つの集落に国の史跡指定と都市計画法の二つの法に網がかけられたことから、さまざまな地域課題に合わせて、生活の問題と史跡小田城址管理基準や史跡発掘調査などで、各種課題に長年にわたり取り組んできているという状況であります。

その発掘調査の成果に基づき、復元整備基本計画をまとめ、整備工事に着手をしてきており、整備工事もこれからさらに5年、6年かけて引き続き進められようと思われますが、これまでに実施された調査内容と次年度からの事業概要についてお尋ねしたいと思います。

答弁・教育委員会事務局長

今年度実施しました発掘調査内容についてですが、昨年度、城跡中心の本丸、内堀跡の面的な本発掘調査が終了しましたので、現在は、未解明な周辺部分の確認調査を実施しております。

堀や土塁の規模、それらが囲む曲輪と呼ばれる広場の形態等の目的で、本丸、内堀の南外から北東にかけて調査をいたしました。その結果、曲輪の中間付近で、内堀と中堀を結ぶ細い堀跡やその曲輪と外側をつなぐ虎口と呼ばれる出入り口等、新たな発見が相次いでおります。

次に、事業概要につきましては、今年度から復元整備工事に着手し、現在、本丸への出入り口であります南西部の馬出しと呼ばれる小区画の復元を行っており、また、水堀の流末となる排水路も整備しております。

なお、来年度以降の事業でございますが、本丸そのものの堀、土塁、庭、池等を立体的に復元するとともに、案内所を建設したりしまして、市民が憩える歴史広場を整備するとともに、未解明部分の確認調査もあわせて実施していく予定であります。

これらに関連しまして、事業内容を周知するためにシンポジウムを去る2月20日(H22年)に開催しまして、市内外から約300名近くの参加者があり、盛り上がりを見せた次第でございます。

質問・金子かずお議員

史跡小田城は、当時の様子がよく残っていることや、関東地方や茨城県南の歴史を考える上で重要な城跡だということから、昭和10年に国の史跡指定を受けたものであります。

史跡小田城址は、関東地方の南朝方の拠点時代には、北畠親房を迎え「神皇正統記」が随筆されたということになっております。

その後北軍に攻められたりなどして、戦禍を幾度となく繰り返してきたことは、発掘調査の遺構面などで確認がされます。

史跡小田城址周辺の歴史的景観の魅力は、地名などにも中世の名残をとどめているものが多くあると聞いております。

付近の石造物など見ても、中世の歴史的景観の地として復元が期待をされているところであります。

シンポジウムも開催される、しかも現地の調査報告も年に二度ばかり開いているということでありますので、私は報告会になるべく参加をし、見学してき ておりますけれども、調査報告会には、県内外からすごく大勢の人たちが参加をしているということで、非常に高い関心を持っているというふうに認識をしてお ります。

そういうことでありますので、予算も大変厳しい状況ですが、埋蔵文化財調査には補助金などもあるやに聞いておりますけれども、引き続き予算を確保して、整備工事に努力をしていただきたいと思っております。

このことは強くお願いをしておきます。


◎文化財の展示施設について

質問・金子かずお議員

桜総合体育館の隣にあります桜歴史民俗資料館や谷田部保健センター3階にあります谷田部郷土資料館などの文化財展示施設については、施設と史資料の活用を図るとして、それぞれ別途に維持管理がなされてきております。

つくば市内には国指定や県指定の文化財も多く、さらに市指定の文化財も多くありますが、今の両展示施設を見る限り、郷土の歴史と文化に関する知識と理解を深めてもらうためには、現在の状況では十分とは言えない状況と考えております。

桜地区の市民窓口センターが桜歴史民俗資料館に移りますと、窓口手続の合間に地域の歴史民俗などに触れる機会ができることは良いことと感じますが、 統合さえすればよいという意味ではありませんけれど、郷土の歴史や地域の生い立ちが統一的な施設で目に触れる機会ができる、こういうことも意義のある施策 だと考えております。

今後の文化財等を含めた展示施設について市の考え方を伺いたい。

答弁・教育委員会事務局長

つくば市には、旧桜村の出土品や民俗資料を所蔵展示する桜歴史民俗資料館、それから谷田部藩や飯塚伊賀七関係の資料を所蔵展示する谷田部郷土資料館、そして市内全域の発掘調査、出土品類の所蔵展示や調査を行う出土文化財管理センターなどがございます。

各施設とも、それなりに特徴はありますが、小規模で分散しており、常設展示も変わってないということから、新鮮味がなく、来場数も低迷している状況でございます。

そのために、「そこに行けばつくば市がわかる」というような施設がないことは課題として十分認識しておりますので、今後、状況を見据えながら検討していきたいと考えております。

質問・金子かずお議員

文化財の展示施設ですが、文化財の調査や保存、活用、また指定文化財の維持管理、普及活動、さらに市史編さんなどの事業に取り組んできております。

郷土の歴史と文化に関する知識と理解を深めてもらうためにも、大変重要なことであると私は考えております。

現在進めている史跡小田城址の調査、さらに中根・金田台地の開発に伴う史跡調査もありますけれども、文化財展示施設の構想については、先ほど内部で も協議をしていくということもありますので、これは長い展望の中の一つのことだと思っておりますけれども、内部協議に期待をしていきたいなと思っておりま すので、よろしくお願いしたいと思います。




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