つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

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つくば市の公共交通再編について


つくば市では、2011年4月以降は市内二次交通網の整備を目的とした「つくば総合都市交通体系調査」計画により、つくば市内各地とつくば駅・つくばセン ター付近をつくバスで直線的な路線で結ぶ6つのコースと地域循環を加えた7コースのコミュニテイバスを運行する計画とし、さらに利用者の求めに応じてルー ト・運行時間を柔軟に設定する、タクシー車両を用いたデマンド型交通を運行することとしている。

この計画でこれまでつくバスが運行された地区から路線廃止になる地区も出てくる状況になります。

車を運転できない高齢者を中心に高校生や児童など、いわゆる移動制約者と言われている市民が不便をきたす社会を改善するために市内二次交通網の整備を充実させていくために提言し改善を求めます。


☆ のりのりバスの時代 ☆

筑波研究学園都市の建設は「東京の過密緩和」「科学技術の振興と高等教育の充実」などを目的に、「均衡のとれた田園都市」として整備することとさ れ、当時43の国立研究機関が移転し、民間の研究開発型企業の進出でサンエンスシティつくばとして知れわたることになり、筑波研究学園都市としての開発が 成熟した1987年11月30日につくば市は、谷田部町、大穂町、豊里町、桜村の合併誕生、翌年1月31日に筑波町と、2002年11月1日に茎崎町と三 回の合併が行われた。

つくば市は、筑波研究学園都市構想や工業団地の開発の推進とともに高規格の幹線道路網の充実が図られ、移動手段として積極的に自動車交通を利用する環境が備えられ、結果として、自動車への依存度が高まり、自動車利用型の都市となってきた。

こうした背景から、公共交通機関であるバス利用者は年々減少傾向にあり、1998年の調査では、交通手段別で自動車が67.8%を占め、バスは1%とであった。

バス事業者は、利用者減少から路線バスの整理、廃止、減便等の対策を進める状況となり、このようなバスサービスの低下は、自動車を運転できない高齢者を中心に高校生や児童など、いわゆる移動制約者と言われている市民が不便をきたすようになってきた。

つくば市では、このような状況を改善すべく、2000年9月から福祉施設や市役所等を循環する無料福祉バス「のりのりバス」の運行を市内13コースで開始をした。

「のりのりバス」とは、13コースの運行系統により分散していた市庁舎、福祉施設など公共施設を経由し広大な市域をカバーし、小型マイククロバスを 利用して大形バスが通れない集落や路線バス空白地帯も循環したが、系統はかなりの距離が長く各地区巡回のため運行経路は至って複雑であり、同じ地点を二度 通過する系統も存在した。

また、茎崎町で運行されていた福祉バス「ひまわり号」は2002年11月1日の合併で「のりのりバス」運行形態に組み込まれた。

2000年9月15日から13コースで運行開始された「のりのりバス」福祉循環バスと位置づけられ「高齢者、障害者、車を持たない移動制約者の主要公共施設などへのアクセスを支援する事を目的」にし、一般会計予算の事業として保健福祉部扱いとなっていた。

利用状況は、高齢者などの福祉センターの往復や小学生・高校生の通学、短距離利用などに利用され、珍しく満員に近い状態になることもあったが各便や 区間、時間帯による利用者の格差は大きかった。運行委託は、タクシー業界で結成された「筑波学園タクシー協同組合」に委託した。
(運行期間2002年4月1日から2006年3月31日まで)



◇ のりのりバスからつくつくバスへ ◇

市では「のりのりバス」の改善を模索するため2003年から「のりのりバス」の運行と平行し、コミュニテイバスの試行運転の一環として、つくば市内 の筑波大学周辺や中心部から少し離れた住宅団地、中心部の循環、筑波山方面の4コースにシャトル便として「つくつくバス」を2005年3月末まで全線均一 の100円で運行することにし、さらに、つくば市・茨城県・都市再生機構との共同で2005年開業の鉄道「つくばエクスプレス」の効果に連携する市内二次 交通網の整備を目的とした「つくば総合都市交通体系調査」を実施した。

2005年8月には「つくばエクスプレス」が開業され、市内民間バス路線の大部分が既存路線をつくばエクスプレス沿線駅に対応した路線に再編、運行を開始した。
(つくつくバス2003年9月1日から2006年3月31日まで)


☆ つくバスの時代 ☆

市では、2006年4月に福祉循環バス「のりのりバス」13コースを廃止し、そのルートを尊重しながら「つくつくバス」4コース中の2コースを加え 15コースで、「つくばエクスプレス」沿線駅4駅から二次交通手段として市内全域を網羅した、有料200円のコミュニテイバス「つくバス」の運行をこれま でと同じく民間委託で開始した。

つくバスは、ノンステッバス、ユニバーサルデザイン仕様方式を取り入れ、路線バスを補完する公共主導のバスとし、移動制約者や通勤通学者を基本にし た市民の公共交通機関と位置づけ、2007年9月にはつくバスのマイナーチェンジを行い、つくばエクスプレス沿線駅との連携をさらに強化したルートと運行 時刻を導入し、2010年4月につくばエクスプレス研究学園駅に建設中のつくば市役所が完成したことに伴うマイナーチェンジを実施して現在に至る。

2004年度のつくバス利用者は40万人、2006年は45万人、2007年は58万人、2008年は72万人となり2003年(利用者36万人) のつくばエクスプレス開業前と比較すると増加傾向にあるが、見込み対応した民間バス路線やつくバスも路線により偏りが見られ、決して効果的な交通網とは言 えない部分も見え、沿線開発や都市の成熟、筑波山周辺の観光地など均衡のとれた市内二次交通網の再編が急務となっている。

つくバスの運区計画は2011年3月までとなっているので、4月以降は市内二次交通網の整備を目的とした「つくば総合都市交通体系調査」により、つ くば市内各地と中心部(つくば駅・つくばセンター付近)をつくバスより直線的な路線で結ぶ6つのコースと地域循環を加えた7コースのコミュニテイバスを運 行する計画とし、さらに利用者の求めに応じてルート・運行時間を柔軟に設定する、タクシー車両を用いたデマンド型交通を運行することとしている。

市では、デマンド型交通を運行するため2009年11月1日から2011年3月31日までの期間を筑波地区内の2コースで、運行日(毎日運行)・運 行時間(9時~15時30分)・運行回数(午前6便・午後6便)・予約受付時間(8時30分~18時)などを定め予約方式でデマンドバス実証実験を実施中 であります。

つくバスの利用実績は毎年高まり、比例して収入が増えてきている。

その分を運営経費に充当できることになっているため、市負担金が毎年減額されてきている。
(つくバス2006年4月1日から現在まで)


コミュニテイバス+デマンド型交通の導入で新しい公共交通へ

市では「つくば総合都市交通体系調査」を参考に、

①市内には様々な交通機関が個別に存在する。

②路線バスの利用者数が減少する一方で、高い自動車利用率がある。

③つくバス利用者数は増加しているものの、地域循環の利用は少ない。

として、市内公共交通網を総合的に再編し「利用しやすく」「持続可能」な公共交通体系の構築が必要と位置づけ、その結果、

①新しい運賃体制で高頻度・短時間の運行によるサービスの向上を目指し、運行頻度を30分50分に一便で、幹線7路線(コース)をコミュニテイバスで主要な市街地から鉄道駅に直行運行する。

②支線の6地区(旧町村単位)内を電話予約で最寄りの停留所から目的地停留所まで乗り合わせのデマンド型交通を運行する。

③高齢者、障がい者、子ども、乗継などで割引制を導入する。

とした方針を打ちだした。

予定している運賃体制を見ると、コミュニテイバスは三段階運賃制を取り入れ200円~400円程度に、デマンド型交通は地区内を300円に地区内か ら市中心部へは800円~2,300円程度とし、乗り継ぎは市内全地域を200円として高齢者や障がい者、子どもは利用料金の半額としている。

今後の展開として現在は小学校区単位で地域説明会を開催しているが、市は今年末までにデマンド型交通乗降場所の調整と決定をするため、現在のつくバス停留所でいいのか等を区会から意見も求めている。


公共交通の再編成でも課題もあります

つくバスの利用の方向を調査内容で見ると買い物や病院等への通院などに利用が多く占められていることが明らかになっています。

このつくば市地域公共交通総合連携計画に基づくと現行の15路線から7路線に変更されることになるが、いくつか課題点を指摘すると

①地域の核となる拠点から中心部にコミュテイバスを出すとしているが、これまでつくバスが運行されて来た地域で新たな路線・コースから外れる地域はデマンド型交通で十分な対応なのか。

②地区内移動についてはデマンド型交通に変更すると言うが、一部地域を除いて旧市町村単位であり、合併して23年も過ぎ、地域は開発などで広域化、都市化しており、相変わらずの旧市町村単位での発想から脱皮していくことが必要であります。
統計などではないのだから旧市町村単位での物事の発想しているのは行政ぐらい、新規事業こそこれまでの枠組みと垣根を越えていく考えを表明すべきである。

③再編ネットワークで対応できない地域の需要についてはどのように具体的な解決していくのか。

など課題も見えるので、早急な意見集約が必要である。


筑西市のデマンド交通システムを研修

つくば市で導入を決めているデマンド交通システムは多くの自治体でも検討を進めているが、金子かずお議員は筑西市で始めたデマンド交通システムを視察してきました。

筑西市は平成17年3月28日に下館市、関城町、明野町、協和町の一市三町が合併して誕生した県西地区の都市です。

新市建設計画では全市的に新たな公共交通体系を構築することで交通空白地を無くし、市民サービスの統一と一体化を早急にするとしていた。

デマンド交通システムを導入するにあたり、既存の公共交通について分析をするため、市内の鉄道の状況、民間路線バス、巡回バス等の福祉バス、タクシー事業者など詳細について調査を実施しています。

市では新しい公共交通システムの導入に向けて新公共交通システム検討委員会を立ち上げ、市にふさわしい公共交通の検討を進め、六つのポイントに整理し基本方針を定め、これにかなう交通システムを推進していくとした。

六つのポイントは、

①交通弱者にも自立的かつ気軽に利用できること。

②利用者毎に柔軟な乗り降り場の設定が可能なこと。

③市内の全域を面的にカバーできること。

④低価格かつ均一料金で利用しやすいこと。

⑤財政負担を可能な限り圧縮できること。

⑥既存の公共交通と共存共栄ができること。

この基本方針を基に、筑西市は新たに導入する交通施策は、市民に自由な移動を低額で提供できる「デマンド型交通システム」が最適とした。




☆桜ニュータウンからつくば駅方面にバス路の開設実現へ
今、緊急に取り組んでいます ☆

桜ニュータウンにはこれまで「つくバス」の5コースが運行され、利用率も良い路線であると思います。

計画されている「つくば市地域公共交通総合連携計画」に基づくと現行の「つくバス」15路線から7路線に変更され5コースが廃止されると再び桜ニュータウンは陸の孤島になります。

先日、桜ニュータウンの広岡公民館で開催された「つくバス」&「デマンド型交通」運行計画の「つくば市地域公共交通総合連携計画」の説明会に約50名の多くの参加者が「つくバス」5コースの廃止について反対の意思表示を示しました。

今、関係機関と何としても桜ニュータウンからつくば駅方面にバス路線を引き続き開設するために市並びに関係者と最終段階の調整に取り組んでいますので、ご期待下さい。




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