つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

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大震災被害のお見舞い申し上げます

 今回の震災は1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災のような局地的な地震ではなく、東北地方や関東地方の広範囲に及ぶ大地震であり、岩手県、宮 城県沖、福島県沖、茨城県沖と連動する500kmにわたる地震の大きさは、当初マグニチュード8・8と報道されたが、後に9・0に訂正されました。

 世界でも5番目に大きな地震と言われ、いまだに震度4程度の余震が続き、これからも大規模な地震が起きる可能性もあり、まさに自然の猛威の恐ろしさを思い知らされるものでありました。

 岩手県や宮城県では、津波を予想して防波堤を築き、津波訓練も行なってきていたが、12mを超える津波が襲ってきたのです。想定外の津波であり、逃げ遅れた人々が大波に飲まれ亡くなりました。

 現地からの映像を見ると、その津波の高さと押し寄せる津波が家屋を飲み込んでいく様は尋常ではありません。

 そのため阪神淡路大震災の死者6,000人以上よりも増え、死者が2万人以上を超える可能性があるとされています。自然というものが時として人知を超えたものになることを教えるものでありました。

 地震の当日私は、つくば市議会の文教福祉委員会で質疑発言中でした。

 最初は揺れが少なく収まるかと思ったが、急に揺れが大きくなり、免震構造の市役所は船の揺れのようになり、地震が起きている間は、じっと揺れが終わるのを待つしかありませんでした。

 これまでも中越沖地震など大きな地震もあったが、身近でこれほど大きな地震を体験したことはありません。

 この地震の被害だけでなく、福島県では福島第一原発が地震で壊れ、燃料棒や使用済核燃料を冷やす装置が破壊され、放射線が流出することとなり、海水を注 入した原子炉4基は廃炉にするしかないと報道されるなど、福島原発に投入された金額は分らないが、廃炉となるとそれに掛る費用も莫大な費用を要することに なり、これも国家財産の損失である。

 自衛隊、警視庁、消防署による注水活動が行なわれ、放出する放射線の全容は未だ予断を許さない状況であるが、アメリカではスリーマイル島の原発事故の経 験から、今回の事故をレベル4から5に引き上げ、在日アメリカ人が原発から80km圏内以上に退去する命令を出している。

 アメリカ政府は日本政府に事故発生直後に事故を封じ込める専門家を派遣しようとしたが、東京電力が自前で処理をするというので、政府が断った経緯があると聞く。

 原爆が落とされることも考え対策を考えているアメリカの危機管理は日本よりも上回っていると思うが、最初の段階での支援を受け入れていれば、状況は少し変わっていたことも考えられます。

 1999年に茨城県東海村の原子炉で臨界事故が起り、作業員の大内さんと篠原さんが高度の放射線を浴び、東大病院で最先端の医療技術を施したが2人が死亡する最悪の事態になったことは記憶に新しい。

 この事実は10年以上前のことで忘れていると思うが、2000年にNHKが報道した東大医学部が大内さんの治療に当ったビデオを見ると、直接放射線を浴びると遺伝子が破壊され細胞分裂ができなくなり、皮膚や内臓を再生できなくなることが分る。

 原発推進論者はこうした事実を無視し、原発の安全神話を流布してきたが、今回の原発事故でそのことがまったくでたらめであることが判明した。

 国民も適確な情報を入手し、さらに原発事故の本当の情報開示を要求し、事実を知る必要があります。

 特に茨城県は東海村の原子炉を抱えており、最悪の事故が絶対に起らないという保証はありません。

 日本のような地震国では何が起きるか予測できない恐ろしさがあります。

 この事故を経験しても、なお原発はなくすわけにはいかない、付き合うしかないという政府首脳の発言もあり、これこそ、事故を反省した言動ではなく、性懲りもなく原発を推進していくという無責任な発言であると思います。

 確かに現代文明は電気が必要不可欠でありますが、政府自身が原発ではなく自然から得られる太陽光発電や風力発電、波力発電などの多様な発電を開発して、国民に提供していくことを早急に実施していくべきであります。

 想定外の発言で責任を取らない関係者に苛立ちを感じ、この事故で国民も本当に原発事故の恐ろしさを知り、電気を節約し、電気消費量を減らし、自然エネルギーに切りかえる努力をしていくことが求められています。

 知を超えたものになることを教えるものでありました。




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