つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば | 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2014年5月20日 第890号 発行:新社会党つくば支部

リニアモーターカーは生き残れるか?


 「リニアは生き残れるか」と題した小濱泰昭・東北大学名誉教授(未来科学技術共同研究センター)の講演を紹介します。

巨額の国費のムダ遣い

 世の中には理詰めで考えるととても受け入れられない国策が多いことに気づく。

 原子力船“むつ”はいつの間にか消え去ったが、現在は地球研究船“みらい”として衣替え活躍している。

 だったら最初から原子力船は不要だったことになる。

【当時の原子力船むつ】     

 原子力潜水艦は1年でも潜水して移動できるという軍事的価値があるが、貨物船は最長地球半周(約2万㎞)航行すれば必ず停泊して荷卸しをする。

 およそ2週間の航行。その折に化石燃料も搭載すれば事足りるのに、巨額の国費を無駄に使ってしまっている。

 STOL機“飛鳥”も同様で、短距離での離着陸特性を宣伝文句に開発されたが、どのメーカーも、航空会社も採用しなかった。

 巡航時の燃費が劣悪であることが理由の大きな一つだった。

 それは開発当初からわかっていたのに、美辞麗句を並べ立てて国策として研究開発が行われた。


燃費の悪さが破たんを招く

 この50年間にエネルギー環境は様変わり、燃費効率の劣悪なシステムを受け入れない状況になっていた。

 世界最大の自動車メーカー、アメリカのGMが倒産したのも、日本車の燃費に勝てないことが最大の理由だ。

 イギリスとフランスの共同開発の超音速旅客機“コンコルド”も引退したが、その理由が燃費の悪さだった。

 日本航空も倒産したが、その原因の一つに燃費の悪いジャンボ機(B747)を後生大事に使い続けたことがある。


ひた隠しされる原発前提システム

 最悪の国内問題は、2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴って生じた東京電力福島第一原子力発電所の水素爆発事故である。

 地球温暖化対策として原発シフトを行った当時の自民党政権は何と54基もの原発を稼働させるまでになっていた。

 その中の4基が爆発して深刻な放射能放出事故を起こしてしまった。

 原発問題に関する具体的議論は別の場で述べるとして、リニアは原発前提での高速輸送システムであった。

 なぜなら新幹線の3倍超のエネルギーを必要とする燃費劣悪なシステムだから。

 この弱点は開発フェーズではひた隠しにされ現在に至っている。


リニアの抱える決定的な問題点

1. 電磁場の生体に与える悪影響

 放射能事故による微量放射線やリニアや高圧線から発生される電磁波は自然界には存在しなかった。

 生存環境に人工的に新たに作り出された汚染環境である。

 ゴジラはトカゲが水爆実験で発生した放射能を浴びて突然変異して誕生したし、電磁波はその強弱に無関係に生き物のバイオリズムを汚染するし、生体にもガン化など悪影響を与える危険性がある。

 大規模集中型のシステムからは少なからずエネルギーが漏れ出すことは避けられない。

2.リニアモーターの効率の悪さ

 モーターには二つの方式が存在する。回転型モーターとリニア型モーターである。

 科学技術の観点で分析すると、どう頑張ってもリニア型は回転型に効率の面で劣ってしまう。

 固定磁石と回転磁石の間隔(ギャップ)が一番の要因で、回転型では約1㎜と狭く配置できるために効率は90%を超せるが、リニア型では数㎜と広いため効率が下がってしまう。

 JR方式(超伝導方式)の場合ギャップは100㎜もあるのだ! 回転型の100倍。単純計算で効率は100分の1に落ちてしまう。

 エネルギー変換効率の視点で評価すると、まさにリニアの皮を被った蒸気機関車なのだ。

3.リニアの巨大な空気抵抗

 航空機は100が空気抵抗、新幹線(270㎞/hののぞみ)の場合はおよそ90%が空気抵抗で全投入エネルギーが消費されている事実がある。

 高速走行の場合、その殆どが空気抵抗で消費されるという現実がある。

 リニアの場合それが最悪のレイアウトになっている。 専門用語では、乱流クエット流という状態。

 ガイドウエーとリニア車両間の間隔がおよそ100㎜と狭い。車両が500㎞/hで走行するとその影響がガイドウエー側の壁に伝わる。

 そして走行車両を止めようとする強大な空気抵抗が発生する。要するに地球を引っ張ろうとしながらリニアは走行しなければならない。

 これら3つとも根本的に改善することは技術的に不可能である。






5/24講演会&報告会

牛久と霞ヶ浦の現状


講演 「みんなの放射線測定入門」
小豆川勝見氏(東京大学准教授)
報告 ①霞ケ浦流入河川の土壌調査報告
  認定NPO法人アサザ基金
②牛久市内小学校通学路測定報告
  子どもの未来を守ろう@うしく
日時 5月24日(土)午後1時半~4時半
会場 牛久市中央学習センター大会議室
会場 牛久市中央学習センター大会議室
主催 原発いらない牛久の会


並木交流センターまつり


 並木交流センターでの活動を広く皆さんに紹介をするなど日頃の成果を発表する場として5月17日と18日に第31回並木交流センターまつりが開催されましたので参加をしてきました。

 当日は作品の展示や発表など活動の紹介、また合唱や演奏などの発表会が催されました。

並木夏祭りも7月20日に開催される

 毎年、海の日の翌日に開催されてきている「並木夏祭り」の実行員会が開かれ、今年は7月20日に開催することが決まりました。

 金子さんも実行委員会に参加し、今回も副実行委員長になりました。




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