つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

金子さん町を歩く 145 ウェブ版
【「金子さん町を歩く」広報委員会】
つくば市下広岡450-29 ℡029-857-1154 Fax029-857-1254


いつもお世話様になります
金子かずお、です

 未曾有の大惨事となった東日本大震災は、地震・津波・原発の被害が重なり、被災者は二重・三重苦の状況で途方にくれ、被災地全体では今でも災害復帰の目途が見えない状態となっています。

 大きな被害を受けた岩手県や宮城県、福島県の沿岸部などでは涙をこらえながら身内や遺留品を捜す姿が今でも後をたちません。

 そんな中、水素爆発した福島第一原発からは放射線量が拡散し、茨城県はもとより関東地域に何らかの被害をもたらしてきています。

 周知の通り、世界初の重大原子炉事故はイギリスで1957年に発生したウィンズケール火災事故であり、1979年にアメリカのスリーマイル島で世界初の 重大原発事故が発生し、1986年には旧ソ連、現ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所4号炉で世界最大の発事故が起きました。

 炉心溶融(メルトダウン)ののち爆発し、広島に投下された原子爆弾に換算して約500発分に相当する量の放射性物質が撒き散らされ、汚染範囲は直径1200キロで日本列島がすっぽり入るくらいとなりました。

 ソ連政府は事故から36時間後にチェルノブイリ周辺の区域から住民の避難を開始し、およそ一週間後までに30km以内に居住する全ての人間(約11万6千人)が移動させられました。

 今、被害を受け住むことが出来ない人々は各地域に分散避難し寒い冬を迎えています。そして私たちの住むつくば市にも多くの人々が避難をしてきています。

 3月11日以来、放射能の危険について学び直し、脱原発への道を目指して署名活動や学習会、講演会を開催、またデモ&パレードなどに取り組み、7月には「脱原発ネットワーク茨城」が結成され、9月11日に広瀬隆さんを招いて講演会を開いてきています。

 広瀬さんは講演で、「みんなで原発を止めてください」「もう残された時間は無いのです」「脱原発の意思を表明した村上東海村長を支えてください」と大きな声で話されたことが耳に残っています。

 最近では、12月の11日に、つくば市内で「12・11ハイロパレードinつくば」を開催し、550名の参加者が市内中心部をパレードしてきています。

 今、茨城県北部にある東海第二原発を廃炉にするため様々な取組みを進めていますが、金子かずお議員が紹介議員となってつくば市議会に提出した「東海第二 原子力発電所の再稼動を認めず、廃炉を求める意見書提出する請願書」(請願者・脱原発ネットワーク茨城)は12月議会では継続審査となる中、お隣の土浦市 議会では地域住民から提出されていた
(1) 日本原子力発電東海第2原発の再稼働を断念し廃炉にする決議の請願書
(2) 東海第2原発の再稼働中止と廃炉を求める意見書提出の請願書
(3) 東海第2原発の廃炉を求める意見書採択を求める請願書
の三つの請願書は本会議で全会一致の採択を見ました。

 一方、国でもようやく本格復興につながる第三次補正予算が決り、本格的な支援策が期待されています。

 茨城県でも、復興緊急融資の一部利子補給や被災した文化財の復旧支援などで追加事業が検討されています。




つくば市も重点除染地区に

 東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性汚染で、環境省は東北地方と関東地方の8県102市を「汚染状況重点調査地域」に指定した。

 また、国が直轄で除染を行なう「除染特別地区」も11の自治体が指定された。

 「汚染状況重点調査地域」に指定された自治体は、2012年1月に施行される放射線物質汚染対処特別措置法によって国が原則費用を負担する。

 茨城県内は、つくば市や土浦市、竜ヶ崎市、牛久市など20自治体が指定を受けました。

 つくば市では、土浦市や牛久市に隣接する地区の一部を先行調査区域として測定を実施してきた結果、旧茎崎地区の一部を除染実施区域とすることを決めました。




福島応援プロジェクト茨城・・
支援のイベントが開かる

 今年の8月に東日本大震災で大きな被害の出た福島の児童20人をつくば市内ふれあいの里に招いて「筑波山、ゆっくら夏休み」を企画した「福島応援プロ ジェクト茨城」では、24日に筑波学院大学の食堂を借受け「語り合おう!ふるさと福島のこと、これからのこと」をテーマにクリスマスパーテーを開催しまし た。

 クリスマスパーテーには避難でつくば市在住の福島の方が45人以上も参加され主催者やボランテイアの方々と楽しい一時を過ごしましたが、長引く避難生活や今後の生活手段に頭を悩ませる一面も見受けられ複雑な気持ちになりました。

 これからも支援を惜しまない人々の力を伝えて行きたいとプロジェクトの一員として感じました。




つくば市議会・請願報告

「子ども・子育て新システムの導入に反対し、現行保育制度の拡充を求める意見書提出を求める請願書」を否決する

 2011年7月29日に少子化社会対策会議で「子ども・子育て新システムの中間とりまとめについて」が決りました。今後も必要な検討をふまえて、社会保障・税一体改革とともに通常国会で法改正を行い、2013年度から新制度の施行を目指すとしています。

 この新システムは、直接契約、利用者補助、保育料の応益負担などを柱とする仕組みであり、待機児童解消を名目に、多様な事業所の参入を図るとして事業者 指定制度を導入し、保育を市場化、産業化することがねらいで問題があります。12月議会の文教福祉委員会では金子かずお議員だけが意見書提出に賛成をしま したが、一名の議員が退席する中、採決は反対多数で否決されました。


文教福祉委員会では、金子さんの提案で新たな意見書を提出する

金子かずお議員は、請願書は不採択になったが、新システムの導入は、保育現場に市場原理が持ち込まれることになり、福祉としての保育制度が維持されないことや、保護者の負担増につながる制度見直しとなる懸念がある。として、
-①-
子ども・子育て新システムについて財源的な見通しが立たない中での移行は困難であり、「今年度中の法案提出」との方針を撤回すること。
-②-
保育制度の見直しにあたっては、保護者、保育現場等の意見を十分尊重し、慎重に検討すること。
-③-
来年度に向けて、「安心子ども基金」の拡充等、保育の充実に向けた地方の創意工夫が生かされる予算編成を行なうこと。
の三点を委員会採択して国に新たに意見書を提出する提案を行い本会議で意見書が採択されました。




つくば市議会報告

金子かずお一般質問の内容

 昨年の12月議会の一般質問には17名の議員が市政全般にわたり質問をしていますが、金子かずお議員は、以下市政全般を質しました。

◎放射線量対策について

質問主旨・・・
市内の調整池で放射線量の高い数値が測定されたが、その対応と今後について。


◎東海第二原発について

質問主旨・・・
東海村の村上達也村長は東海第二原発の廃炉を国に求めている。国の原子力安全委員会では緊急防護措置区域を30キロに拡大してきているが、原発を取り巻く状況に変化も、東海第二原発の廃炉について市長の考え方は。


◎文化財について

質問主旨・・・
国指定文化財である小田城跡の進捗状況と来期の取り組みは。
質問主旨・・・
東北地方太平洋沖大震災で破損した国・県・市指定の文化財の修復や国登録、個人所有等々の文化財の復旧について。
質問主旨・・・
開発や調査など遺跡で発掘された出土遺物について。


◎電力自由化と電気の入札について

質問主旨・・・
先の議会で導入の検討をするとしたが、予算編成期を迎えどのような取組みが進められているのか。


◎特別支援学校を震災時に避難場所とすることについて

質問主旨・・・
東日本大震災発生を受け、避難施設となった特別支援学校もあると聞くが、障がい児・者など特別な配慮を必要とする災害弱者への支えとなります。市内の特別支援学校を避難施設として関係機関に要望しては。


◎(独)農業・食品産業技術総合研究所機構作物研究所の不適切実験について

質問主旨・・・
作物研究所において、拡散防止対策が不十分のまま遺伝子組み換え実験が行なわれていたことが判明しました。しかも問題発生から二ヶ月も過ぎての市への報告と聞きますが、その実験内容と市への報告、今後の対応について。


◎(独)産業技術総合研究所における核燃料物質の保管について

質問主旨・・・
つくばセンター第三事業所内で無届けの核燃料物質が長く保管されていたことについて市に報告があったと聞きますが、その内容と対応について。




脱原発・電力自由化で
自治体の電気代を節約しよう

電気料金の低減の取り組みを

 電力会社には、一般電気事業者と呼ばれる10の電力会社の他に、卸電気事業者の電源開発と日本原電の2社、卸供給事業者の独立系発電事業者の IPP(Independent Power Producer)特定電気事業者、そして特定規模電気事業者これがいわゆるPPS( Power Producers and Suppliers)ですが、これら多様な電気事業者が存在しています。


2005年から国が進める電力自由化

 2005年4月より、電力自由化により、電力需要者の6割に相当する、50KW以上の高圧契約をする工場、ビル、役所、学校など需要者は、PPS約50社から自由に選び、安い電気を購入する事が出来るようになりました。 

 仕組みは、需要者はPPSと電力受給契約を結び、PPSは電力会社、例えば東京電力に、電気託送料を支払って、電力会社の送電網を使い電気を送るということです。

 原発を抱えた東京電力から、原発を抱えないPPSに変えることで、原発に依存しない安心できる町づくりに役立つものと確信しています。

 原発料金は安いと長年国民に発信してきていましたが、原発は価格の高い電気であると指摘されてきています。原発を抱えないPPSに変えることで電気料金の軽減が図られている事実があります。


導入先進地の立川市は大幅に電気代が節約

 立川市ではPPS契約を結び電気料金の低減に取り組んでいます。2010年度の立川競輪場の電力購入先として、東京電力を含む4社の見積もり合わせで、 サミットエナジー株式会社を選び、その結果、前年の73%の料金で推移し、1年間で1,700万円の電気代節約ができた。

 2011年度も、電力供給見直しを進め、計53施設を3グループに分けて、それぞれPPSと契約。1kw時あたりの単価が、東電と比較して18%から25%も安くなった。

 PPSの利点は価格の安さだけでなく、従来通りの電力の電気を使用しますので、信頼性も品質も損なわず、しかも初期投資は「O円」ということです。

 仮にPPSが倒産したら電気は止まるのかとの心配も生まれますが、東京電力は「託送供給約款」によリ、バックアッブ電源として位置付けされており、そのまま送電されますので心配ありません。

 トラブルが発生した場合、送電網や設備は全て、東京電力の財産であり、東京電力が責任を持って対応します。

 県内でのPPSとの契約は、あまり例がないとも聞いていまが、水戸地方法務局の9施設で契約されています。

 電気料金の低減化のために削減できる費用はとことん削減すべきです。


電力供給契約で国は入札を推進中

 2009年1月22日の大臣官房会計課長名による電力供給契約における入札の実施の通達では、2008年12月1日に行政支出総点検会議で取りまとめら れた「指摘事項」において、行政効率化推進計画に基づく行政効率化の取組みの一層の徹底が求められたことを踏まえ、平成20年12月26日に環境省行政効 率化推進計画が改定された。

 その中で「電力供給契約については、契約電力50kW以上の契約全てについては入札を実施する(ただし、当面、沖縄県内その他特殊な事例を除く。)その際には、環境配慮契約法に基づくいわゆる裾きり方式による入札を実施する。」ことが新たに盛り込まれた。

 今後、当該規定に基づき、契約電力50kW以上の電力供給契約については、原則裾きり方式による入札を行なうこととなるが、その参考として、添付資料の とおり、入札公告例、入札説明書例、環境省入札心得、契約書案、仕様書例、競争参加資格確認関係書類例、二酸化炭素排出係数・環境への負荷の低減に関する 取組みの状況に関する条件例を作成したので、これらを活用して、適切な契約事務に務められたい。と通達を出しています。


最初の導入は経済産業省からスタート

 経済産業省は、2000年に官公庁で初めて電力調達入札を実施しました。入札には3社が応札して、結果PPSの企業が落札し、前年と同一使用量とした場合、金額では約1,000万円4%程度電力低減することができたと聞きます。

 5年後に電力自由化になり、電力需要者の6割に相当する、50KW以上の高圧契約をする需要者は、PPSから安い電気を購入する事が、出来るようになったものです。

 つくば市は、低炭素社会を目指した環境都市づくりに取り組み、二酸化炭素排出量を削減しようとしています。

 その取組みも重要ですが、電気料金の低減策は、福島第一原発事故の放射能汚染でもわかるとおり、原子力にたよらないエネルギーを優先した考えになるかと思います。


つくば市の施設でもPPSの導入を

 全国各地で官・民の取組みが進んでいます。

 岐阜県内で活動中の「電気をカエル計画」の資料では、名古屋市で約2億円、新城市では約400万円の経費節約が紹介され、東海3県では、愛知県、岐阜県、三重県、名古屋市、豊田市、豊橋市、新城市、設楽町、豊根村などでも電力の切り替えが行なわれている。

 2011年9月の市議会で、私の質問に対し、PPSの契約が出来る50KW以上の高圧契約可能な施設は約67施設あることが判明し、市原健一市長も積極的に調査研究を表明した。


12月の定例議会でも取りあげる

 その後に開催された12月議会の答弁では、一般電気事業者以外からの導入について特定規模電気事業者数社から参考資料を取り寄せ導入に向けての調査研究を重ねていると答弁がありました。

 結果的には、PPS電力の導入で原発電力の使用を減らせることにつながります。




つくば養護学校の
  過密過大を解消しょう

 つくば養護学校の整備計画では、開校して3年目であることから、今後の児童生徒数の推移を見ていくこととしています。

 しかし、つくば市の人口増加や小学校、中学校からの転入児童生徒が予想以上に増えてきていることなどから、整備計画策定前とは状況が大きく変わり、児童 生徒数は平成19年度の211名、20年度240名、21年度301名、22年度326名から23年度は366名となっています。

 つくば養護学校の児童生徒数の増加への対策は重要ですので、増築・改修等の検討を促進させましょう。




2012年決意を新たに

 昨年、3月11日の東北地方太平洋沖大地震で未曾有の被害を受けた東北三県はいまだ復旧の見込みなく、多くの被災者は全国各地で新しい年を迎えています。

 私は現在、文教福祉常任委員会、議会報編集委員会、安心・安全調査特別委員会、議会改革に関する調査特別委員会に所属して活動を進めています。

 特に昨年はつくばセンターから桜ニュータウンまでのバス路線の開設や児童生徒の通学路の改修(信号機・道路拡幅など)に努力を重ね、さらに電力自由化に伴い市の施設でPPS導入による電気料金の低減化の取り組みを提起しています。

 今年の11月には市議会の任期満了を迎えますが、引き続き議会や地域で「福祉の充実と住みよい町づくりをめざして」の活動を市民の皆さまと共同作業で市政の改革に全力を尽くすことであります。

 今年も一所懸命に努力を重ね奮闘してまいる所存であります。




(c) Kaneko Kazuo 2008-