原発事故避難者の住宅支援の継続を求める
意見書

　福島原発事故から4年3ヶ月、自主避難者を含む多くの原発事故被災者が、ふるさとを追われ家族や地域が分断されたまま避難生活を強いられています。
避難元の地域の放射線量は事故前に比べてまだまだ高く、特に小さな子どもを抱える親たちにとって、避難の継続は最重要課題となっています。

　このような中、本年6月15日、福島県が災害救助法に基づく避難先の住宅の無償提供を2017年３月末で打ち切ることを決め、打ち切りによって生活が困窮する住民もいるため県独自の支援策として所得などに応じ一定期間家賃を補助する、と報道されました。

　しかし、独自支援策の詳細は未定です。先の国会において全会一致で制定された「原発事故子ども・被災者支援法」（以下「支援法」）は、「原子力発電所の事故により放出された(中略)当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」ことを明確に認め、被災者一人ひとりが「居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができる」よう「そのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」とうたっています。
しかし、何ら具体的な対策は講じられておらず、一日も早く、この理念に基づく抜本的な対策や新たな法制度が必要です。
また、今回の住宅支援打ち切りの方針は「自主避難者」だけの問題だけではなく、特定避難勧奨地点の解除など、事故後設定された年間20ミリシーベルトと高い放射線量を基準にした国の帰還政策と一体のものです。
避難者の生活の最も重要な基盤である住宅への支援策の打ち切りは、支援法の理念に背くものであり、早急な対応が必要です。

　つくば市内にも、福島から約200世帯、500名の方が避難しておられます。
早急に国に対し、「自主避難者」に対する住宅支援打ち切り方針の撤回と、現在のように1年ごとに延長するのではなく、抜本的・継続的な住宅支援が可能な新たな法制度の確立を求めます。

【8月30日（日）及び9月4日（金）】

【9月5日（土）】

【9月6日（日）】