つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2016年6月28日 第991号 発行:新社会党つくば支部

議会報告・一般質問から


 今号では、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(いわゆる「障害者差別解消法」についての一般質問と答弁を4月19日第982号で掲載しましたが、引き続きの質問を掲載します。 特に答弁は全文を掲載し、質問内容に答えているかの検証をしていただきたいと思います。


障害者差別解消支援の方策は②

つくば市で設置されている
    障害者自立支援懇談会の役割は

質問・金子かずお議員
 障害者差別解消支援地域協議会についてであります。

 法律の第17条第1項の規定によりまして、国及び地方公共団体の機関であって、医療、介護、教育、その他の障害者の自立と社会参加に関連する分野の事務に従事するもの、以下、関係機関というふうに言わせていただきますが、社会生活を円滑に営む上で困難を有する障害者に対する支援が効果的かつ円滑に実施されるよう、関係機関により構成される障害者差別解消支援地域協議会、これは以降、地域協議会というふうに言いたいと思いますけれども、これは組織をすることができるとされていますよね、組織をしろということではないのですよね。

 そういうことで、すごく緩い指示なのですが、つくば市においては、先ほどつくば市障害者自立支援懇談会を活用して対応するということであります。

 私は、この組織があるということは知っておりますけれども、改めてちょっと伺いたいと思いますけれども、つくば市障害者自立支援懇談会の果たしている役割と業務内容について改めて伺いたいと思います。


答弁・福祉部長
 つくば市障害者自立支援懇談会は、平成18年度の障害者自立支援法の施行に伴って制度化された組織でございます。
障害のある方が地域生活を送る上での課題の共有と検討、及び各関係機関のネットワークの構築を目的として設置されております。つくば市では平成19年度に設置し、現在、福祉、教育、医療等事業者団体等の分野から18名の委員をもって構成されております。

 障害者差別解消支援地域協議会の機能を既存の障害者自立支援懇談会に付加することは可能であると国の通知にも明記されておりますので、当面の間は新たな組織は設置せずに、障害のある方の差別解消に取り組んでまいりたいと考えております。


不当な差別的取り扱いの考え方は

質問・金子かずお議員
 障害者差別解消法では配慮項目などが決められており、県の条例で各分野において特に配慮すべき事項を定めたりしています。

 不当な差別的取り扱いの考え方や正当な理由の判断の考え方、合理的配慮の考え方、過重な負担の考え方などを大ざっぱに分けて、基本的な考え方の判断が難しい場面が多々あるとして言われておりますが、そういう状況を克服していくために制度を確立されていくわけでありますけれども、不当な差別的取り扱いの考え方について具体的な考えをお示しいただきたいというふうに思います。


答弁・福祉部長
 障害者差別解消法では、障害があるということだけで正当な理由なく商品やサービスの提供を拒否、制限したり条件をつけたりするような行為を不当な差別的取り扱いと言い、行政機関や民間事業者の別を問わず、法的義務として禁止されております。 

 国で示されている具体例としましては、窓口対応を拒否する、順番を遅くする、身体障害者補助犬の同伴を拒否するなどが挙げられております。


合理的配慮の考え方は

質問・金子かずお議員
 日常業務の中で出てくることだと思いますので、十分意識を持っていただきたいというふうに思っています。

 もう一つ、合理的配慮ということが出てくるわけですけれども、合理的配慮の考え方について具体的に示していただきたいと思います。


答弁・福祉部長
 障害者差別解消法では、障害のある方から社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表示があった場合には、負担になり過*ぎない範囲で社会的障壁を取り除くための合理的配慮を提供することとされております。
合理的配慮の提供は行政機関では法的義務でございますが、民間事業者につきましては努力義務とされております。

 国で示されている合理的配慮の具体例としては、段差がある場合、車椅子のキャスター上げをする、障害の特性に合わせた筆談、読み上げ、手話などを用いること、高いところにある資料をとって渡すなどが挙げられております。


質問・金子かずお議員
 制度というのは昔できていて、あるいは新しくできていく。しかし、現実の社会は日々古い制度から新しい制度へ変わり、新しい対応が求められていくという形で、昔昔の政策は当たり前のことだったかもしれないけれども、その後、大きな変化をもたらして、それを改革していくということは日常茶飯事のことだと思うのですね。

 例えば、昔は2階建ての公共施設にエレベーターとかいうものは求める声が少なかったかもしれない。しかし、今はそうではない。そういうように社会の状況が変わっていくと、これらがどういうところに当てはまるかはともかくとして、やはり配慮が足らない形になってくるのかというようなことにもなる。
そういうことで、かなり先進的な考え方を持って対応していかなければいけないのではないかと思いますので、今後注目していきたいと思います。




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