つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2016年12月27日 第1,009号 発行:新社会党つくば支部

12月議会で採択された意見書


 12月議会では請願書4件、意見書2件が審議され採択されました。採択された請願書は、①子どもの医療費を高校卒業まで、窓口負担なしで無料化を求める請願書。②待機児童解消に伴う民間保育士等確保対策に関する請願書。③愛和病院までの「つくタク」運行を求める請願。④「高額医療費」「後期高齢者の窓口負担」の見直しにあたり、現行制度の継続を求める意見書の採択を求める請願。の4件で全てが採択されました。

 また、意見書は①「高額医療費」「後期高齢者の窓口負担」の見直しにあたり、現行制度の継続を求める意見書。②原発事故避難者の住宅支援延長について緊急な対応を求める意見書。の2件で全てが採択されましたので、国に意見書が提出されます。

 討論では、「原発事故避難者の住宅支援延長について緊急な対応を求める意見書」で金子議員が意見書に賛成の討論を行いました。


放射性廃棄物


缶は腐食? プールに雑然
東海再処理施設

 朝日デジタル12/5に東山正宜、杉本崇の両記者の記事が掲載されています。
放射性廃棄物の現状を示すものとして、転載します。

ずさんな管理、老朽施設

 貯蔵プールに乱雑に投入された放射性廃棄物入りのドラム缶、敷地内に残された中身のよくわからない廃棄物容器・・。
廃止が決まった原発の使用済み燃料再処理工場「東海再処理施設」(茨城県)を11月上旬に訪ねると、ずさんな廃棄物の管理や老朽化した施設の様子から、解体作業が極めて難航しそうな状況がわかってきた。

 使用済み燃料の再処理で出た廃棄物をプールで貯蔵する「高放射性固体廃棄物貯蔵庫」。11月7日、日本原子力研究開発機構の担当者が施設の前で、プール内の状況を写真で説明した。

 水が濁ったプール内には廃棄物入りのドラム缶が約800個、乱雑に積み上がっている。ドラム缶の山の高さは約7㍍。水中カメラを近づけると茶色い物体が舞い上がったという。


■「水あかか、さびなのかはわからない」
 ドラム缶の中身は、バラバラにした使用済み燃料の被覆管だ。1977~94年に投入された。つり下げたワイヤを切って投入したといい、プール内でワイヤが複雑に絡み合っているとみられる。ドラム缶が腐食し、廃棄物が漏れている可能性も指摘されている。


■水面の放射線量は毎時3m㏜。
 一般人の1年間の追加被曝(ひばく)限度の3倍を1時間で浴びる数値だ。水の浄化装置はない。また、敷地内には中身がよくわからない廃棄物の容器が多数あるといい、ふたを開けて分別し直す必要があるという。

 原子力規制委員会の担当者は「とても適当とは言えない状況が続いている。原子力機構だけでなく、旧科学技術庁も旧原子力安全・保安院も、見て見ぬふりをしてきた」と話す。

 このほか、極めて放射能の強いガラス固化体が約250本、低レベルの濃縮廃液が約3千㎥、低レベルのアスファルト固化体がドラム缶約3万本分ある。

高レベル放射性廃液400㎥

 最もやっかいなのが、再処理の際に出た約400㎥の高レベル放射性廃液だ。人間が近づくと20秒で死亡する毎時1,500㏜の線量がある。放射性物質を多く含み、放っておくと自ら発熱して水素が発生し、水素爆発する危険があるため、原子力機構は廃液をステンレス製のタンク6基に保管して水を循環させて冷やし、水素の換気も続けている。2011年の東日本大震災では40時間以上にわたって外部電源が失われ、非常用発電機でしのいだ。

 規制委は13年、廃液のままだと漏れ出す恐れがありリスクが高いとして、ガラスで固める作業の再開を再処理施設が新規制基準に適合する前に特例で認めた。今年、作業が再開されたが故障が相次ぎ、予定の4分の1で中断している。


■「ドラム缶取り出し、考慮していなかった」
 原子力機構は11月30日、廃止が完了するまでに70年かかり、当面10年間に約2,170億円かかるとの工程を規制委に報告した。
だが、作業は簡単には進みそうにない。高放射性固体廃棄物貯蔵庫のプール底のドラム缶について、原子力機構は「取り出しを考慮していなかった」。今後、装置を開発して、水中でワイヤを切りながら一つずつ持ち上げる方針だ。

 施設そのものも汚染されている。使用済み燃料を粉々にした施設の内部の放射線量は毎時200m㏜。担当者は「遠隔操作で機器を解体するのか、人が入れるまで除染するのか検討中」と語った。


 規制委は原子力機構が検討する廃止計画に再三、懸念を示してきた。
9月の会合では規制委幹部が踏み込んだ。「実現性に疑問がある。廃止の検討が始まって3年たつのに、アバウトな計画しかない」。

 廃棄物の処分先も見通せない。
高レベル廃棄物は地下300㍍より深い場所に10万年間埋める。国が年内にも処分に適した「科学的有望地」を示す方針だが、決まらなければ施設で保管し続けるしかない。


〈東海再処理施設〉

 原発の使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出す技術を得るために、約1,900億円かけて建設された。1981年に本格運転を始め、原発約10基分にあたる1,140㌧の燃料を処理した。
97年に廃棄物のアスファルト固化施設で爆発事故が起きた。2014年に廃止が決まった。運営する日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営主体でもある。




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