つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2017年4月18日 第1,024号 発行:新社会党つくば支部

議会報告・一般質問から

高齢者の介護や医療は①


 今号は人口の減少と高齢社会が加速し、少子高齢化がもたらす医療や介護などの社会保障費の増加など大きな課題に直面してきている。

 土浦市では、空き家や空き店舗などを活用した、生きがい対応型デイサービスを市内の中学校単位に整備して、そこでは、健康マージャンやカラオケ、趣味のサークル、卓球等独自のプログラムを作成し健康維持の施策を実施しています。

 つくば市でも、その施策を参考にした新たな取り組みを議会で提起し質問しましたので紹介します。(次号に続く)

地方創生と遠隔医療について
質問・金子議員

 日本国内では、超高齢社会を迎え、高齢者に対する介護や医療などの社会保障費用が増大し、財政を圧迫するとの声も聞きます。
県内の脳血管疾患などそれらにおける死亡率は、依然として全国と比べて高い水準にあるため、対策を強化、推進していかなければならないのではないかというふうに思っております。

 本県は、人口当たりの医療数、病院、診療所数が全国平均より圧倒的に少なく、医師、病院の分布に偏りがあり、医療整備体制に地域格差が出ていると言われております。
幸いにして、つくば市には、前回も話が出ていますが、医療体制が他の地域よりも充実していると言われておりますので、その点は、大変喜ばしいことだというふうに思っております。限られた医療資源を有効に使う必要がある中、内閣府で、近未来技術実証特区におけるプロジェクトの一つとして取り上げている遠隔医療は、交通弱者対策を含め、このような問題を解決する有効な手段と考えられ、高齢者の方々の健康寿命を延ばすために、遠隔医療による予防医療が重要であると私は考えます。

 また、要支援を対象とする予防給付のうち、訪問介護と通所介護が介護保険制度の地域支援事業へと移行されたことが、市町村において、これからの事業の取り組みが進まないと地域の健康な高齢者が自宅で引きこもる状況が多くなり、健康寿命の低下にもつながってくると思われます。従来のデイサービスと違う体制の整備が必要になります。

 土浦市では、空き家や空き店舗などを活用した、生きがい対応型デイサービスを市内の中学校単位に整備しております。利用者は1カ所当たりの年間1万人と伺っており、そこでは、健康マージャン、カラオケ、卓球等のプログラムを実施しています。
利用する全員で運営しているような状況であり、今後の地域支援事業のモデル的なケースになるのではないかというふうに思っております。このような新しい住民参加型のコミュニティーを形成することは地域の活性化につながっていく可能性があります。

 例えば、こうしたコミュニティーでは、高齢者自身が昼食のためのお弁当を作成、労働力や御用聞きサービスによるお弁当の販売の労働力となることも可能と考えられます。また、お弁当のご飯も、たんぱく質摂取を制限されている方には茨城産の低たんぱく米を使用するなど、健康な高齢者の雇用や農業の六次化にも寄与していくものと考えております。

 このような生きがい対応型デイサービスを整備し、元気な高齢者の生きがいを支援するとともに、これらの施設に情報端末を設置し、離れた医師からの予防医療、相談を受けるようなことにより重大な疾患を防ぐ取り組みを進めていかなければならないと考えております。

 今後、人口減少や医師確保の問題、過疎地での医療対策、地域包括ケアの運用など、さまざまな面で遠隔医療の需要と重要性が増大するとともに、実際に遠隔医療を実施しなければならない状況になってくると予想されます。こうしたことを踏まえ、今後、遠隔医療を推進するためにどのように取り組んでいくのか、市長にお尋ねをしたいというふうに思います。


効果の可能性について検討する
答弁・五十嵐市長

 まず、高齢者施策と遠隔医療システムについてですが、現在、つくば市の高齢化の状況につきましては、やはり地区に偏在はあるものの、高齢者世帯それからひとり暮らし高齢者世帯の増加、さらに介護者の高齢化による老老介護、そういった高齢者を取り巻く環境が、近隣自治体と同様に、幾らか高齢化率は低いとはいえ課題となっております。
そのような背景を踏まえて、高齢者が住みなれた地域で健康で生き生きと自分らしい生活を送ることができるよう、地域包括ケアシステムの構築に向けて、今議会でもさまざま話題になっておりますが諸施策に取り組んでいるところです。

 議員ご紹介の生きがい対応型デイサービスというものは、私、きょう初めて伺ったんですけれども、非常に可能性のあるものだということをまず感じました。みずからがやはり主体的に参加をすることで、生きがいを得て、ただただ、サービスを受けるだけでなくて、サービスの担い手になるということは、非常に介護予防の点からも大きな意義があると思っております。
そこに合わせて、ご提案の遠隔医療システムにつきましては、医師と患者が離れた場所で、医療相談あるいは在宅医療の充実を図ることができるシステムでありまして、予防医療の観点からも重要な取り組みであると考えておりますし、今後、その効果の可能性等について検討をしていきたいと考えております。

(昨年12月議会の質問で次号にも続く)

【議事録から原文のまま掲載しています】




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