つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2017年4月25日 第1,025号 発行:新社会党つくば支部

議会報告・一般質問から

高齢者の介護や医療は②


 人口の減少と高齢社会が加速し、少子高齢化がもたらす医療や介護など前号に続き掲載。

小地域で医療や介護などの拠点づくり
質問・金子議員

 健康の問題は、一人一人が注意をしても、なかなかその成果が出るわけでもない部分もあります。しかし、大勢の人たちが同じような環境でさまざまな形態を持ちながら、そして協力し合うということで活性化し、元気を取り戻すことにつながっている経緯もあると思うんのです。私はそういう点では、この土浦の実例として行われていることは非常に高く評価をすることだと思いますし、何度も視察に伺っております。そういう点では、顔なじみの人もできてくるぐらいな感じでお訪ねをしている部分もあります。

 住民参加の地域のコミュニティーを形成するというのは、地域の活性化につながっている可能性というのは非常に大きいと思います。そういう点で、例えば、集落や団地などで今空き家の活用というものが問われている。このつくば市でも、昨日の新聞発表では、1,600戸の空き家があるということが報道されています。そういうものを使って、そして、そこの地域に住んでいる人たちが組織をして、そして運営していくというようなことにつなげていけば、利用する人も年寄りかもしれない。しかし、それを運営する人も年寄りかもしれない。家庭では老老介護なんていう話がありますけれども、そういう人たちがお互いに協力し合うということが非常に大変重要だと思います。

 特に、介護保険の要支援1、2が地域の事業の中に組み込まれ、ボランティアの活動を求めていくということになれば、なおさらそういう形が必要だと思います。例えば、これは私の住んでいる桜ニュータウンのことで申しわけないですが、今1,325人が住んでいます。高齢者と言われている方が567人、世帯数でいうと570ちょっと切る。こういう地域ですが、先ほどの一般質問で、高齢者が茎崎とか筑波地区では多くなってきているという話がありました。決してそういう地域ばかりじゃないのです。少し移動すると都心部に入るようなところでも、過疎化の実態があるわけです。

 そういうことであり、この現状に合わせてどのように実施していくか、大きな箱ものをいっぱいつくっていく事よりも、10人、20人の利用者で楽しく過ごせるような施設を連動してつくっていく形が必要だと思います。

 そういう点では、私は重ねて申し上げますけれども、遠隔医療のことも一つの解決方法の道だと思いますけれども、全てがそれだけではないわけでありますから、それも一つの大変重要なことだと。その前にそういう拠点をつくるのを、どうやって自治体が支援していくかということをお尋ねしたいと思います。


地域で取り組む活動を支援する
答弁・五十嵐市長

 ご指摘のように、桜ニュータウンもそうですし、谷田部にある、いわゆるニュータウン系の団地等では、高齢化がかなり進んでいる状況というのは、これはもう北部あるいは茎崎に限らず起きていることだと私も認識しておりますし、もう高齢化率が、もし50%を超えている状況であれば、10年後のその地区を見据えても、今すぐに動き出していかなくてはいけない状況にあると、本当に喫緊の課題であると認識をしております。

 そういった中で、今、桜ニュータウンに空き家があるという話ありましたが、私は空き家の活用というのは非常に地域のコミュニティー拠点として大きいものだと思っております。既に茎崎の団地等で取り組みをしている事例もあると思いますけれども、いかに徒歩圏のコミュニティーを形成できるかというのが、当然、公共交通網を形成して、各地区に移動ができるようにするということは重要ですけれども、それとは別の次元の話として徒歩圏のコミュニティーをどこまで分厚くできるかというのが、私は今後のまちづくり、あるいはもう少し細かい点で言えばもちろん地域包括ケアといった視点になりますが、大きな意味では、本当にまちづくりの理想とする形だろうと思っております。
私自身も、大規模集約化するという思想は、現在のまちづくり、あるいは行政経営においては、周回おくれの議論になっていると感じております。いかに各地域地域にやはり小規模に分散をして、その地域で多層な関係を築くことができるかということ、そこに分厚い市民社会を形成できるかということが、介護もそうですし、子育てもそうですし、様々な面での重要な鍵となると考えておりますので、私も空き家の活用については幾つか政策を提示はしていますが、先ほど答弁いただいたような地域の、まさに自分たちで運営するデイサービスのようなもの、そこまでいかなくても、やはり何らかの支援を行政がしながら、まずは、たまり場とか寄り合う場所として、お茶を飲む場所としてそういった拠点があるだけでも私は意義があることだと思いますので、どういう形が可能かということを、議員にも先進事例のご指導等いただきながら検討していきたいと考えております。


質問・金子議員

 桜ニュータウンの人口とか、年齢的な高齢者の人数を述べさせていただきましたが、42.79%の高齢化率なんですよ、桜ニュータウンは不思議な、不思議というと、おかしいですが、全く政治的や社会的に関心がないのかというとそういうことでもない。
前回の総合運動公園の住民投票では、市内で一番投票率が高かった。この間の市長選挙にも、市会議員の選挙でも多分一番だったと思うぐらいの投票率でありました。非常に関心を持って自分たちの生きていく所をきちっと表現しているのではないか思います。

 そういう点で、どこの地区からどういう形態で様々な要望が出てくるかわかりませんが、今のような方針を市内全域に広めていくことを期待して、これは今後、大きなまた課題となると思いますので、今日はこの程度にとめさせていただきたいと思います。




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