つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2018年4月10日 第1,070号 発行:新社会党つくば支部

議会報告・一般質問から


選挙制度の改正について ②

1069号からの続き

質問・金子かずお議員 

 説明がありましたが、50%を超えるぐらい、あるいは県知事選挙などは40%にも満たない。大変ゆゆしきことであると思います。投票率を高めていくかというのは、つくば市だけの問題にならない部分も相当あるかと思うんですよね。
しかし、自治体で対応できることも幾つかあるというふうに思っております。

 今後の啓蒙対策でありますけれども、期日前投票の投票率をもっと高めていく、トータル的に選挙期間を長くしていくというような形にもなっていく状況にしていく、それから特定の場所における移動投票所の開設の問題などもあると思う。どのように開設場所をふやしていくのか、それらの対応をどうするのか。
それから、18歳以上、二十未満の有権者に対する対策、先ほども述べられておりましたけれども、実際に高等学校あるいは大学の初期の段階では、学校というところで対応できるかもしれません。しかし、社会に出ていく子供たちもたくさんいる。そういうところでは誰が教えるのかという話や対策というのもあるかというふうに思います。 

 義務教育中の主権者教育なども大変重要だと思っています。選挙期間中の周知の方法などがたくさんの政策があるかと思います。高齢者や障害者を持つ人への合理的配慮など、今後の啓蒙活動に大変重要なことがあると思います。

 今述べさせていただきましたが、それらに対する対応をお尋ねしたい。


答弁・選挙管理委員会事務局長

 全体としての投票率ですけれども、全体というか、世代別の投票率ですが、これまでの実績を見ますと、20代、30代の若年層の投票率というのが非常に低いです。20%台、30%台ぐらいなのです。40代、50代、60代になるにつれてどんどん上がっていいます。70代以上も相当上がっています。

 そのようなことを考えますと、今回は選挙権年齢が18歳以上に変わっておりますが、18歳になる前の高校等で、中学校でもそうですけれども、主権者教育といいますか、有権者として求められる力を身につけるために必要なことを学ぶための教育が必要かと思います。
18歳に下げたときに総務省と文部科学省の共同でつくった副教材ですが、これを全国の高校生に全部配り、公民の授業等で政治的な教養の育成と選挙制度の理解を高める授業を実際に行っています。

 要するに、私が言いたいのは、18歳の選挙権年齢になる前に、前からそういった教育をしていけば、だんだんに年をとっていったときに、いろいろな情報が入ったりして、選挙に対する関心も高まってきているのが、今の投票率にあらわれているのかなというふうに思います。
今の例えば40代、50代、60代の方、今は投票率が高いですが、その方たちも高校生のころの時代はやっぱり投票率は余り高くなかったと思われます。でも、社会に出て、いろいろなところでいろいろな話が聞けたりして、結果として政治に興味を持つようになり、投票率が上がっていると私は思います。

 移動投票所の件ですが、移動投票所、期日前の投票所というイメージだと思うのですが、そもそも期日前投票所というのは、選挙の当日に投票に行けない人が場所を選ばずに行ける選挙の方法として設けられておりますので、そういう意味では、つくば市の場合は当日の投票所75カ所ありまして、期日前の投票所については10カ所設けております。それは本当にその家のそばに、期日前投票所をつくってあげるという意図ではなくて、当日の投票場75カ所がある一定の基準の中でつくられた投票所ですので、距離的に言いますと2キロ以内とか、そこの選挙区の選挙人の人数が3,000人以内だとかというふうな条件がある中で、75カ所を設けておりますので、どうしても本人の都合で、用事で当日に行けない人のために期日前投票所というのを設けてあります。

 なので、10カ所ということで、旧町村の単位プラスショッピングモール等、駅前に近いところとか、いうところにあわせて10カ所設けてございます。なので、できればそういったところを今後も十分利用していただくことで、投票率を上げていきたいというふうに考えております。

 そういった意味では、若い方だけでなく、家庭で例えば選挙に対するお話なんかが話題になって出ることは非常に良いことと思います。そのための材料といいますか、選挙についての周知、お知らせ等については、当然選管のほうで、しっかりとしないといけないのかと思います。

 あと、高齢者のお話は、先ほどの移動投票所の話がありますので、移動投票所というのはイメージとしては、今ある期日前投票所のほかに、別の施設に投票所を設置して期間限定とかということでやられる場合を想定しているのか。
それとも、例えば車を使って、本当に市内いろいろな所に移動しながら、予約を受けないと、どこに何時に行くというふうな話もなかなかできないと思いますので、車を利用した形での想定の投票所なのか。それによっても話は違ってくるのかなというふうな感じはしますが、投票率向上を目指すため、政治に参加していただくために、あらゆる面で、その検討を今後していく必要があると思います。


質問・金子かずお議員

 様々な施策を実施しないと、投票率は上がりませんし、関心も持たないかと思います。どれが最善かわかりづらい話だと思います。

 私としては、期日前投票というものが一定程度定着して、裾野が広がってきているということだけは、捉える価値がある策だと思うのですね。これに合わせた形で、基本的には1週間の投票を告示の翌日から長くやっていけるということにつなげていくためには、何カ所かふやしていって、その分だけ負担があるかもしれませんけれども、それで頑張ってやってみていくというのも、私は策ではないかなというふうに思っております。

 そういうことで、これは、その都度、その都度改革していかなくちゃいけないでしょうから、今のようなお話を承って、また機会を見て取り上げていきたいと思います。





(c) Kaneko Kazuo 2009