つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2018年6月19日 第1,079号 発行:新社会党つくば支部

障害者差別解消法が施行されています
合理的配慮の助成制度で学習会


 つくば市では今年度から、民間事業所への合理的配慮の助成制度がスタートします。

 この制度は、飲食店や小売業者などの民間事業所が障がいのある人のために簡易スロープや筆談ボード、点字メニューなどを購入する際に、つくば市がその費用を助成するものです。
この程、地域で暮らしている障がい者を支援している団体の主催による学習会が開催され、金子議員も参加した。

「合理的配慮」とは?

 障害者権利条約第2条に定義があります。「合理的配慮」とは、障がい者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであります。

 障がいのない人も、その人自身が持つ心身の機能や個人的能力だけで日常生活や社会生活を送っているわけではない。日常生活や社会生活を営むにあたり、様々な場面で人的サービス、社会的インフラの供与、権利の付与等による支援を伴う待遇や機会が与えられているのであります。

 ところが、こうした支援は、障がいのない者を基準にして制度設計されており、障がい者の存在が想定されていないことが多く、障がい者はこれを利用する、その支援の恩恵を受けられないといった事態が発生することになり、社会的障壁が発生する。障がい者が利用できるように合理的配慮を提供しないことは、実質的には、障がいのない者との比較において障がい者に対して区別、排除又は制限といった異なる取扱いをしているのと同様であり、例えば、多目的ホールでの講演において、聴衆に対するサービスとしてマイクとスピーカーが用意される。聴衆はこのサービスがないと講演内容を聞くことができない。障がいがない人々に対しても、人的サービス、社会的インフラの付与などの支援(配慮)がある。障がいのない人々は、これらの支援(配慮)を受けて日常生活・社会生活を送ることができます。

 しかし、耳の聞こえない障がい者には、この支援を利用することができない状況が発生し、これが社会的障壁となる。障がい者がそうした社会的障壁を取り除くために、実質上の平等を実現するために必要な配慮を要求することを障がい者の人権ととらえることは重要なことであります。

 茨城県では、平成27年4月から、「障がいのある人もない人も共に歩み幸せに暮らすために茨城県づくり条例」が施行されました。この法律では障がい者への「合理的配慮の提供」が求められています。


明石市の合理的配慮の助成制度を学ぶ

 5月18日に開催された「合理的配慮の助成制度の講演会」は、2016年度から同じような制度を実施している兵庫県明石市の障害者施策担当の山田賢課長を迎えて行われた。

 明石市では、誰もが暮らしやすいまちの実現に向けた5つのステップをきめ、STEP1・STEP2では、手話を音声言語と同様に「言語」として認めた上で、手話通訳、要約筆記、点字、音訳、わかりやすい表記などの情報・コミュニケーション支援を行うことを決めた「明石市手話言語・障害者コミュニケーション条例」を制定し平成27年4月から施行している。

 STEP3・STEP4では、障がい者に対する配慮を促進し、誰もが安心して暮らせる共生のまちを作るために明石市障害者配慮条例を予算とセットで条例化をしてきた。条例は28年4月からスタートし、「合理的配慮の促進」「相談体制の整備」「地域協議会の設置」などに特徴を取りいれてきた。

 当日は、つくば市の障害福祉課からも担当職員が参加されました。

 合理的配慮のわかりやすい具体例一例としては、以下のような手立てが挙げられます。

①読み書きが困難な方に・・・
      タブレットや音声読み上げソフトで学習できるようにする。
②移動が困難な方に・・・
      自力で移動できない場所に、スロープやエレベーターを設置する。
③指示理解が困難な方に・・・
      指示を1つずつ分けて伝え、イラストなどを活用して説明する。
④疲労・緊張しやすい方に・・・
      休憩スペースを設け、業務時間等を調整する。

 これらは一例に過ぎず、障害のある方ご本人の心身の特徴や、目的や場面、その人を取り巻く環境によって、必要になる合理的配慮の内容や程度は異なってきます。また、配慮を行う行政機関や事業者の側にも人的・技術的・金銭的資源の限界があるため、過度な負担でない実現可能な配慮を検討していく必要があります。

 そのため、障がいのある方の権利や意思を尊重しながら、具体的にどんな合理的配慮が必要かつ実現可能か、ご本人と周りの人たちが対話をしながら決めていくことが大切です


総辞職を求め5万人が国会前に結集


■5月14日、加計・森友学園疑惑、自衛隊の日報隠蔽などに怒る市民が安倍内閣の総辞職を求めて国会前に集まり怒りの声をあげました(写真上)。

■国会前では「国民をなめるな」「もううんざりだ」「安倍はやめろ」の大コールが響きました。

■新社会党も全国各地から参加しました。また政党からは立憲民主党の長妻代表代行、社民党の又市党首、共産党の志位委員長から連帯の挨拶がありました。


6月定例市議会の日程


今日から一般質問が始まります。生活に直結した課題や制度改革など身近なところで政治が動いています。傍聴に。

  • 6月19日 本会議・一般質問
  • 6月20日 本会議・一般質問
  • 6月21日 本会議・一般質問
  • 6月25日 総務委員会
  • 6月25日 文教福祉委員会
  • 6月26日 市民経済委員会
  • 6月26日 都市建設委員会
  • 6月29日 本会議・委員長報告採決



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