つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2020年6月23日 第1,172号 発行:新社会党つくば支部

つくば市議会・常任委員会


 つくば市議会の常任委員会は四委員会で構成され一日二委員会で10時から開催されてきていました。
今回はコロナウイルス感染症の拡大防止のため午前10時開催と午後1時30分に分かれて開催されることになりました。

 開催予定は下記をご参照ください

 6月22日(月)午前10時      総務委員会
 6月22日(月)午後1時30分     文教福祉委員会
 6月23日(火)午前10時      市民経済委員会
 6月23日(火)午後1時30分     都市建設委員会


「介護現場での集団感染」との闘い


特養・北砂ホーム

 共同通信が6月2日、「介護現場での集団感染」との闘いを報じている。その苦闘の報告は、大変参考になると考え、以下に転載します。

▽人手足りず緊迫の1カ月

 新型コロナウイルスでクラスター(感染者集団)が発生した特別養護老人ホーム「北砂ホーム」(東京都江東区)の複数の関係者が2日までに共同通信の取材に応じた。
感染者は50人超、うち入所者5人が死亡。人手不足の中、何とか高齢者の命を守ろうと、防護服に身を包みながら介助した。関係者の証言を基に、緊迫の約1カ月を再現した。

▽ 特養ホームを病院に

 異変が起きたのは4月中旬。入所者がわずか数日で次々と発熱、入院した。入所者の発熱はさほど珍しくないが、短期間に連続。感染の二文字がよぎった。同22日、PCR検査を実施。3日後、10人中9人が陽性と判定された。

 ホームを運営する社会福祉法人あそか会の古城資久(こじょう・もとひさ)理事長は、入所者と職員ら約180人全員のPCR検査を指示。さらに26人が陽性となった。

 直ちに施設内の「ゾーニング」を行い、感染者、非感染者を別フロアに。症状が出ている高齢者は既に系列病院に入院。無症状の人はほかの病院に移すことも検討したが、受け入れ先が決まらない恐れもある。「ホームを疑似病院化する」(古城理事長)と決め、同じ法人の病院の医師が毎日朝晩、回診。病院の診療情報とホームの介護情報をオンラインでつなぎこまめにチェックするなど、容体管理を徹底した。

▽ 誹謗中傷も

 一方、ホームの職員には緊張が走っていた。感染者が出た2、3階担当の職員約30人が全員自宅待機を命じられたためだ。残りの6人だけでは到底人手は足りない。系列の別施設などから職員十数人が応援に入った。

 幸い病院から装備は入手できたが、防護服を着用しての介護は困難を極めた。トイレや食事の時以外は脱げず、医療用マスクは想像以上に暑く、苦しい。「装備をしていると水分を取れないのがつらかった」と箱崎恵美子課長。

 応援は来たが、職員は夜勤明けでも夕方まで働き続けた。和田敬子施設長は「応援職員や病院の支援態勢がなければ、おむつ交換もできず介護崩壊になっていた」と振り返る。ホームで感染者が出たことが報じられると、回線がふさがるほど誹謗中傷の電話が殺到。「精神的につらかった」。

 介護では食事や排せつなど利用者、職員の密着が不可避だ。認知症の人の場合はマスク着用が難しい。ホームでは2月下旬から家族との面会を禁じるなど対策を重ねていた。和田施設長は「ノロウイルスが出たこともあり、例年以上に感染症対策に気を使っていた。入り口は分からなかった」と話す。

▽ 応援に涙

 5月25日、屋上に出た職員が、近くの第六砂町小学校の窓に貼られたメッセージを見つけた。「がんばろう北砂ホーム 応援しています」。職員のほほに涙が流れた。最初の感染確認から1カ月。5人が亡くなった。

 3度目のPCR検査で陽性は数人となり、現在、新たな感染者は出ていない。職員の自宅待機も解かれ、ホーム内を消毒し、6月から併設のデイサービスを再開した。

 「すぐに全員のPCR検査を行い、施設をゾーニングし、職員はフル装備で対応した。5人亡くなられたが、何とか必要な対策は取れた」と古城理事長。「第2波、第3波に備え、対策の一助になれば」と話した。




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