核兵器禁止条約発効日本は不参加、未批准
2017年7月7日、国連加盟国の3分の2を超える122の国の賛成で採択された核兵器禁止条約」が2020年10月には署名国84、批准国50となり、2021年1月22日にその効力が発効します。
この条約は日本の被爆者団体や国際NGOなどが働きかけ、条約の前文には「ヒバクシャ」の文字が書き込まれています。また、各種世論調査では、7割以上の国民が核兵器禁止条約への参加を支持しています。しかし、日本政府は「日米同盟のもとで核抑止力を維持する必要がある」と、この条約には署名、批准(解説参照)しないと明言しています。
「ヒロシマ」「ナガサキ」の被爆者、被爆者団体はこの条約を歓迎しています。私たちも条約の批准を政府に要求しましょう。
国連で核兵器禁止条約が採択され効力が来年1月22日に発揮します。しかし、批准に先頭を切らなければならないはずの唯一の戦争被爆国・日本政府は不参加を決め、米国の核に依存しているのが現状であります。
核兵器廃絶国際キャンペーンの活動に世界で初めて賛同したのは広島市長が会長を務める平和首長会議だったこととは対照的でありました。
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今後30年間も原発推進政府の温暖化対策宣言
菅義偉首相は、所信表明演説で「2050年までに、温室効果ガスの排出は全体でゼロにする」と宣言し、あたかもクリーン社会に向かう姿勢を見せました。しかし、問題はそれを具体化するプランとその工程表が必要になります。
温暖化問題では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書では気温が132年間に0・85°Cの上昇(図1参照)、雪氷の減少、海面水位、海面水温の上昇を指摘しています。また世界では「洪水」「砂漠化」など、異常気象が続いています。その要因は「温室効果ガス」にあり、そのため各国が削減量と目標達成期限を設けています。日本はそのプランはあるものの、不十分な状態が続いています。
2050年に温室効果ガスをゼロにするためには、現状の22 %〜24%の削減比率を2030年には、少なくても45%以上に引き上げなければならない(WWFジャパン・世界自然保護基金)(図2参照)と指摘しています。
ところが菅首相の言うクリーン社会とは「安全最優先で原子力政策を進める」(菅首相演説)ことでした。世界全体の流れは「脱炭素」「再生可能エネルギー」に大きく転換する中、菅政権は向こう30年間は原発依存のエネルギー政策に戻す宣言をしたのです。
菅政権の「クリーンエネルギー」の名による原発推進政策は認められません。原発依存、石炭火力発電所の新規増設はやめ、再生可能エネルギー中心の産業構造の日本社会を目指しましょう。