冬のコロナと闘う
8つのポイント
上 昌広(医療ガバナンス研究所長)
【1】「コロナかかりつけ医」を持とう。開業医でも勤務医でもよい。高齢者にはワクチンは勧めないが、若者には勧めるといった、患者ごとの個別対応を考えてくれる医師を確保することが重要だ。
【2】インフルワクチンは、二重に有効な可能性が高い。打っておけばインフルに罹っても症状が軽微になるし、これによって、免疫が活性化し、コロナにも罹りにくくなるとの研究成果もある。
【3】マスクは、ディスタンスを取れる屋外では不要だが、「三密」になる屋内ではかなり有効で、また、場所を問わず大声での会話は要注意だ。
【4】飲み会は、少数の仲間内で、すいている店に行けば、感染リスクはそれだけ下がる。通勤電車などは「三密」ではあるが、中で会話しない限り、マスク着用で感染リスクはほぼゼロだ。
【5】家庭内感染は、まず防げない。会話をするな、マスクを着けろというのは、現実的には無理だ。家庭内では高齢者・妊婦・子供にはキチンと検査をする。「抗原検査キット」をもっと薬局で売るようにしたらいい。今、海外では5ドルで買える。
【6】高齢者が健康を守るには、もっと運動をすることが重要だ。コロナ下の「閉じこもり」によって、持病を悪化させる危険性が増大することを、運動によって防がなければならない。
【7】第3波では、ステロイドホルモンの使用など治療法が大きく改善され、肺炎の死者数が大幅に減少したが、一方、心筋への炎症、糖尿病に与える影響、脳卒中や心臓疾患、自己免疫疾患などの長期合併症の危険に注意が必要だ。
【8】マスク・「三密」対策など個々人の感染管理では、日本人はかなり成果を上げているが、足りないのは政府レベルの対策で、中でも、PCR検査の拡充は最重要の課題だ。
<検査の拡大・隔離の徹底・治療の充実>という感染症対策の基本に立ちかえって、医療・介護の従事者を始めとするエッセンシャルワーカー(1000万人)への検査を拡充し、無症状感染者の発見・隔離を通し、院内感染・職場内感染・市中感染の拡大を防ぎ、新型コロナ感染症への<社会的防波堤>をきめこまかに築いて行かなければならない。
たんぽぽ舎【TMM:No4094】
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