トリチウム等を含む処理水の処分方法について再検討を求める意見書
政府は、本年4月13日に開催した廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議において、東京電力福島第一原子力発電所の構内に保管されている放射性物質トリチウム等を含む処理水について、海洋放出とする方針を正式決定した。
これまで福島県はもとより茨城県内でも多くの県民を始め、漁業関係者から海洋放出への反対や慎重な対応を求める声が挙がっており、茨城県では、本年4月、政府の決定を受け茨城沿海地区漁業協同組合連合会が内閣府及び東京電力から説明を受け、処理水の海洋放出に対し「絶対反対」と即答しています。
この間10年に及び茨城県もまた東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を受け、消費者も地産地消による支援に努めてきました。このような中、処理水の海洋放出の決定は最悪のタイミングと言わざるを得ず、本県の復興に対する政府の姿勢に大きな疑念を抱かせ、信頼関係の更なる悪化を招くと考えられます。
処理水の処分については、茨城県の復興の円滑な進捗を阻害する問題の発生や新たな風評を助長するようなことがあってはなりません。
復興を進めるためにも、強い信頼関係の構築に向け、茨城県民を始め漁業関係者とも丁寧な対話を行い、国民的な理解を得るため、政府及び東京電力が説明責任を果たしていくことが求められています。
原子力政策及び東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興は、国及び東京電力の責任でなすべきものです。よって、政府においては、次の事項について対策を講ずるよう強く要望します。
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処理水は、当面の間、陸上保管を継続し、トリチウム除去の技術を検討し、諸課題の解決に取り組むこと。
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処理水の処分方法については、漁業関係者など関係する全ての方と十分な話合いを行い、改めて決定すること。
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政府及び東京電力は、茨城県民とも信頼回復を図るため、関係者とこれまで以上にリスクコミュニケーションを徹底し、関係修復を図るための最大限の努力をすること。
以上、地方自治法第99条の規定により提出する。
令和3年6月25日
つくば市議会
(提出先)
内閣総理大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
復興大臣
原子力規制委員会委員長
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