つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2021年8月17日 第1,220号 発行:新社会党つくば支部

百里基地にオスプレイが飛来


私たちは茨城県知事に訴えます。

 オスプレイの飛行には、数多くの問題点があり、墜落の危険性が高いオスプレイを飛ばし、地域住民危険にさらすことは許されることではありません。

 構造上の欠陥であれ、人為的ミスであれ、基地での訓練が続く限り、事故は必ず起こるのです。

 住民の生活といのちを守る立場にある茨城県は、これらオスプレイの数多くの問題点や疑問点を看過せず、防衛省側に対して声を上げていくことが求められます。

 百里基地の周辺住民は、長年戦闘機訓練の爆音被害を受け、事故の危険性と隣り合わせの生活をしてきました。2017 年10 月に起きたF4 戦闘機の炎上事故や部品落下事故にも不安を感じてきました。住民からの苦情が寄せられ、重大事故が起きてからでは遅いのです。

 8団体で連絡協議会を結成しました。7月29日の百里基地抗議集会には約80名の参加で抗議集会と百里基地周辺の近隣5自治体への訪問でオスプレイは「百里の空にも、日本のどこの空にもいりません」と関係省庁に危険をさらすオスプレイの飛来に反対の声を伝える対応を求めた。

 申し入れ書は左記の通りです。

2021年8月12日

茨城県知事
大井川和彦様

申入れ団体   百里基地反対連絡協議会
百里基地反対同盟 梅沢優
百里訴訟弁護団 谷萩陽一
茨城県平和委員会 代表理事 近藤輝男
茨城平和擁護県民会議 代表 鈴木博久
農民運動茨城県連合会事務局長 村田深
社会民主党茨城県連合 代表 井坂章
日本共産党茨城県委員会委員長 上野高志
新社会党茨城県本部 委員長 金子和雄


オスプレイの百里基地への飛来と飛行訓練実施に関する申し入れ

 北関東防衛局は、本年8 月以降に陸上自衛隊木更津駐屯地に暫定配備されているV22オスプレイを使用し、百里基地で離着陸訓練等を行うことを明らかにしました。

 オスプレイは、開発段階で30 人もの死者を出し、配備後も死亡事故の多発、墜落事故を含む多数の重大事故を引き起こしてきた欠陥機です。

 国内で最初に米軍基地への配備が発表された沖縄県では、オスプレイが墜落事故を頻繁に起こし構造的な欠陥機であるとし、県民大会や全市町村長、議会議長や県議会各会派が反対し、「欠陥機オスプレイの配備は認められない」と、声を上げました。

 防衛省は、「オスプレイは安全な飛行機だ」と宣伝していますが、10 万時間あたりの飛行時間でオスプレイ機の事故率が高く、欠陥機であることが統計上でも明らかになっています。防衛省は「事故率は安全性の一つの指標に過ぎない」とし、事故の原因の多くを「それぞれの事故は人為ミス」と片付けていることは大きな問題です。

 オスプレイには機体設計や構造上の欠陥があり、機体の重量に比べて回転翼が小さく、離着陸時に強い下降気流が発生することを原因とする事故の多発、ヘリモードから飛行機モードへの転換時の事故発生問題、日本の航空法で定められているオートローテーション機能による安全性への疑問など構造上の欠陥が挙げられ、近年でも2016 年12 月の沖縄県名護市沖へのMV22墜落事故、2017 年8 月のオーストラリア沖での着艦失敗の墜落事故など大きな事故が発生しています。

 さらにオスプレイによる騒音被害も発生し、横田基地等ではホバリング訓練で、健康被害を訴える住民の声も出されています。
このような欠陥機を驚くべきことに防衛省は米国から1機200 億円超で、V22オスプレイを17 機購入するとしています。しかし、政府が配備先に計画した佐賀空港は地元佐賀市や有明漁業者等が配備に反対し、現在防衛省は空港隣接の私有地を金銭で買収しようとしています。佐賀空港の地元が反対している最大の理由は、「危険極まりない欠陥機」だからであり、訓練等で大きな被害が出る恐れがあるからにほかなりません。

 私たちは茨城県知事に訴えます。オスプレイには、このように数多くの問題点があり、墜落の危険性が高いオスプレイを飛ばし、地域住民を危険にさらすことは許されることではありません。

 構造上の欠陥であれ、人為的ミスであれ、基地での訓練が続く限り、事故は必ず起こるのです。

 防衛省は、オスプレイの百里基地での訓練実施について、8月以降百里基地に飛来し、「月数回程度」で離着陸訓練、計器進入訓練等を行うという情報を発していますが、このような一方的な通知を許してはなりません。今年8月以降ならば、永続的に訓練期間が続けられ、その期間地元住民に危険が及ぶことになります。月数回程度というのも訓練回数が不明です。訓練の時間帯にも制限がなく、夜間訓練を実施するのかもわかりません。これらの疑問や問題点に対し、茨城県は防衛省側に申入れを行い、住民の生活を守ることが必要です。さらに、木更津駐屯地から百里基地への飛行ルートも明らかにされていません。

 住民の生活といのちを守る立場にある茨城県は、これらオスプレイの数多くの問題点や疑問点を看過せず、防衛省側に対して声を上げていくことが求められます。
百里基地の周辺住民は、長年戦闘機訓練の爆音被害を受け、事故の危険性と隣り合わせの生活をしてきました。2017 年10 月に起きたF4 戦闘機の炎上事故や部品落下事故にも不安を感じてきました。住民からの苦情が寄せられ、重大事故が起きてからでは遅いのです。

 私たちは、このような思いからオスプレイの百里基地飛来と訓練実施に反対の立場を表明します。

 つきましては、県民の生命・基本的人権を守る立場にある貴職に対し、下記の項目について申し入れを行うと同時に関係省庁へ要請し、対応されるよう求めます。


1.地元住民を危険にさらす、欠陥機オスプレイの百里基地飛来に反対し、百里基地での訓練中止の声を上げてください。

以上




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