つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2022年7月6日 第1,258号 発行:新社会党つくば支部

福島原発汚染水の陸上保管を


(泊原子力発電所(北海道泊村)
(泊原子力発電所(北海道泊村)

 全国市議会議長会第98回定期総会が5月、東京で開催されました。その中で採択された決議をいくつか紹介いたします。今回は会長提出議案「東日本大震災からの復旧・復興に関する決議」です。同決議の一部を紹介します。

(2) 確実な汚染水・処理水の対策

  1. 「ALPS処理水の処分を実施する前に、安全性を科学的知見に基づき、全国、全世界へ周知し、理解と合意を得るとともに、風評被害に対して万全の対策を講じ、仮に損害が生じてしまった場合には、速やかに賠償するスキームを構築し、利害関係者の理解と合意を得るよう、東京電力ホールディングス株式会社(以下、「東京電力」という。)に指導すること。また、それまでは陸上保管を継続し、タンク保管容量の余力の確保等についても検討するよう、東京電力に指導すること。

(3) 原子力損害賠償の適切な実施等

  1. 原子力発電所事故による個人・法人及び地方自治体が被った全ての損害について、東京電力への賠償請求の簡素化を図るとともに、迅速かつ確実な賠償を行うよう、同社へ指導すること。
  2. 風評被害の防止・解消に向けた対策を強化し、風評の早期払拭を図るとともに、農林水産物等に対する放射性物質対策や生産者への支援等の拡充を図ること。

(4) 健康管理・生活安心体制の継続

  1. 健康異常を早期発見できる徹底した健康管理体制を堅持するとともに、その費用について全額国庫負担を継続すること。
  2. 避難指示等対象地域における医療費一部負担金、介護保険利用者負担金、国民健康保険税・後期高齢者医療費制度保険料・介護保険料の被保険者の免税について、国の特別の財政支援を継続すること。
    (日本経済新聞ネットニュース5/31)

津波対策が不十分

 北海道電力の泊原子力発電所(北海道泊村)で事故が起きれば生命や身体の安全が脅かされるとして、道内の住民らが北電に廃炉や運転差し止めを求めた訴訟の判決が31日、札幌地裁であった。谷口哲也裁判長は「津波に対する安全性の基準を満たしていない」などとして運転差し止めを命じた。廃炉の請求は棄却した。

 原告側によると、津波対策が不十分であることを理由に原発の運転差し止めを命じる判決は初めて。北電側は「誠に遺憾であり、到底承服できない」として控訴する方針を示した。

3基とも運転停止中

 泊原発は3基とも運転停止中だ。北電は2013年7月に原子力規制委員会に再稼働を申請し、現在も審査が続いている。今回の判決は確定しない限り再稼働を止める効力はない。北電の再稼働計画や原子力規制委の審査に影響を与える可能性がある。

 訴訟では主に、・防潮堤(高さ16.5メートル)で想定される津波を防げるかどうか、・原発敷地内や周辺海域に活断層があるかどうかが争われた。

 判決は防潮堤について「地盤の液状化や揺れによる沈下が生じる可能性がないことを、北電側が相当な資料によって説明していない」と指摘。安全性を満たす津波防護施設が存在しないと判断した。

泊原発の運転差し止めを命じた判決を受け、「差し止め 認める」と書かれた紙を掲げ万歳する原告団(31日、札幌地裁前)=共同
泊原発の運転差し止めを命じた判決を受け、「差し止め 認める」と書かれた紙を掲げ万歳する原告団
(31日、札幌地裁前)=共同

事故で人格権侵害

 その上で事故があった場合、放射性物質の放出や拡散で原発から半径30キロの範囲内に住む住民に関して「生命や身体といった人格権が侵害される危険性が認められる」として、再稼働を認めないと結論づけた。

 同種訴訟で初めての判断となった廃炉を求める主張については「必要となる具体的な事情は認められない」として退けた。

 活断層の有無には「ほかの安全性に関する争点について判断するまでもない」として言及しなかった。

北電の審議引き延ばしを批判

 今年1月に審理を打ち切る形で判決に至った経緯にも触れた。提訴から10年以上たったことを挙げ、北電側が「長期間経過しても主張や立証を終える時期の見通しが立っていない」と説明。「審理を継続することは相当でない」と北電側の対応を厳しく批判した。

 原告側は使用済み核燃料の撤去も求めていた。判決では北電側の安全性に対する説明は不十分で「危険性は認められる」としたものの、原告側は適切な撤去先を特定しておらず、請求権がないと判断した。
(嶋崎 雄太)

おかざき彩子

あと4日!  参議院選挙

 彩子さんは1980年生まれ。超就職氷河期真っ只中に、社会に出ていくことになった世代です。新卒にも求人がまともになく、まして様々な理由で足踏みがあれば、入り口から締め出された時代です。数年我慢すればと大学院に進んだ人も、その先に就職先はありませんでした。




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