つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2022年8月24日 第1,264号 発行:新社会党つくば支部

世田谷区の不登校支援研修視察からB


 東京都世田谷区の教育委員会は、不登校はどの子にも起こりえる。ご自身のお子さん・お知り合いの方が「学校に行かない。い。」「学校に行きたくても行けない」と悩んだり、不安に思ったりしたときの相談先や支援を紹介しています。一人で悩まず、学校や教育委員会、関連機関の相談先や支援を安心して利用してくださいと「不登校の相談先と支援のご案内」のパンフを配布しています。

 世田谷区教育委員会では、こうした不登校を取り巻く状況の変化を踏まえ、総合的かつ計画的に不登校対策を推進するために、平成30年3月に「世田谷区不登校対策をアクションプラン」策定してきている。つくば市も生徒指導上大きな教育諸課題として山積しています。過日世田谷区教育委員会に研修に伺いましたので報告をいたします。

質 問 ・SCやSSWの配置人数はどのくらいになるのか。

世田谷区教育委員会

 区では、区立小学校・中学校全校に都専任用と区専任用のスクールカウンセラーを配置しております。令和4年4月時点で都専任が96人、区専任が33人計129人のスクールカウンセラーを配置しています。配置日数につきましては、小学校におきましては、都任用が月4日、区任用が月6日の月10日の配置、中学校におきましては、都任用及び区任用ともに月4日の月8日の配置を基本とし、児童・生徒の多い大規模校等につきましては、月2〜4日程度追加配置を行っています。

 SSWは不登校支援窓口や各専門チームに5人配置しており、不登校を中心に幼児から中学生までを対象にして学校や保護者からの依頼に基づいて相談・支援を行います。

(スクールバスのイラスト)
(スクールバスのイラスト)

質 問 ・公的支援施設、SC,SSWは連携をとっているのか伺いたい。

世田谷区教育委員会

 不登校の要因は多様化・複雑化しており、その支援にあたっては、各関係機関が適切な役割分担のもと、その専門性を発揮しながら行っていく必要があります。

 これまでも、相談内容に応じて、各種関係機関が連携を図りながら課題解決に取り組んでまいりましたが、今回、教育総合センターの開設を機に、その充実を図っているところです。

 区では、教育総合センターを総合的な教育相談の拠点として、教育総合センター内にある不登校支援窓口を中心に、従来通り、学校やSC、公的支援機関等と連携を図るともに、要因が複雑・複合的で専門性の高い事案や緊急事性の高い事案については早期の課題解決目指し、心理職やSSWから構成する教育支援チーム、特別支援教育巡回チーや不登校支援チームといった専門チームとの連携も活用した相談支援体制の強化・充実に取り組んでいます。


質 問  ・オンラインを活用した学習支援を実施しているのか伺いたい。

世田谷区教育委員会

 GIGA スクール構想により、児童・生徒に一人一台のタブレット端末を配備し,オンラインによる学習の環境を整えました。

 学校からオンラインで学習教材を配布し、家庭で自学を進めたり、不登校傾向にある児童・生徒が授業や学級活動等に参加したりしています。

 オンラインの活用は、自分のペースで学習を進められることや登校しなくても学校とつながることができる良さがあります。

 教員と児童・生徒が教材学習の成果を双方向でやり取りしたり、AI教材を活用して自習を進めたり、学習の機会が広まっています。また、電話や家庭訪問だけでなく、オンラインで児童・生徒の状況を把握することができることがメリットです。

 不登校児童・生徒にとっては、個々の児童生徒の教育的ニーズを把握し、今後はより一層のオンラインを活用した支援の推進が必要となると認識しています。

(学校のある地域イラスト)
(学校のある地域イラスト)

質 問 ・出席扱いとされる条件を、世田谷区として決めているのか伺いたい。

世田谷区教育委員会

 世田谷区では、不登校児童・生徒への支援は、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指すという視点から、登校することのみに重視するのではなく、柔軟に対応していくことも必要であると考えています。

 不登校児童・生徒の将来的な社会的自立に向けた進路選択を支援するという趣旨から、@学校への意思や態度を有し、時間に限らず学校に来ている。A自宅においてICTを活用した学習、郵送・FAXなどを活用して提供される等の学習活動を行っている。B学校外の民間施設での相談・支援を受けているなどについて積極的な出席の扱いに留意している。




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