つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2022年9月28日 第1,268号 発行:新社会党つくば支部

世田谷区の不登校支援研修視察からE


 世田谷区教育委員会では、令和4年4月から新たに世田谷区不登校特例校分校教室で教育がスタートしましたので他会派の議員と研修に伺いましたので一部報告します。

 不登校特例校分校教室で始まった不登校特例は学校教育法上の学校です。不登校特例校を学校として設置する場合、法令で定める様々な設置基準を満たす必要があること。また、関係省庁との様々な調整等が必要になることから、新規設置については相当の基準を要することとなります。

新社会つくば1266号のつつきです。

(3)学校形態について

質 問 ・不登校特例校を単体ではなく、「分教室」とした理由は?教育支援センターに設置した理由は?
・いずれ、特例校を作るのか?その場合、校舎は新築か?

世田谷区教育委員会

 不登校特例校は、学校教育法上の学校です。不登校特例校を学校として設置する場合、法令で定める様々な設置基準を満たす必要があること。また、関係省庁との様々な調整等が必要になることから、新規設置については相当の基準を要することとなります。

 そのため、東京都教育委員会では国と協議の上、不登校特例校の整備にあたって、まず暫定的に公共施設などを学校の分教室として位置付け、次の段階として、学校の校舎としての設置基準を満たす施設に対する二段階の仕組みを構築しています。世田谷区もこの仕組みを利用して、一段階として分教室を設置しています。

 学校への移行については、分教室における生徒の出席状況や学習状況、入室相談の申し込み状況、生徒や保護者の意見を把握し、運営の評価・検証を適切に行い、適正な規模や学級数についても精査したうえで検討を進めていきます。

(教室のイメージ)
(教室のイメージ)

質 問 ・校内フリースクール(文科省では「校内教育支援センター」と表現)とは、子どもにとって何が違うのか?特例校教育課程に応じた内容と思うが、実質的に校内フリースクールと何が違うのか?

世田谷区教育委員会

 文科省の示す「校内教育支援センター」は、学校に登校はしているが心理的な要因等により教室に入れず、保健室や図書室などの別室を居場所としている生徒への支援として、居場所の提供を行うとともに、教員との支援を受けながら、オンライン授業の受講や自分のペースに合わせた学習を実施するものととらえております。

そのため、当該児童・生徒は在籍校に属した状態で、「校内教育支援センター」での取り組みを通じ、登校意欲の維持・向上を図りながら、不登校の予防や教室復帰等を目指すものとなります。

 一方、不登校特例校は教育法上の学校として、入室にあたっては本校への転籍を前提としており、不登校経験を有する生徒の状況に合わせた教育課程のもと、小人数教育や一人ひとりの進捗状況に応じた学習を行っています。

また、生徒の興味や関心に合わせ、個性や能力の延長を図り、生徒の社会的自立を目指す「キャリアデザイン学習」等を実施しており、それに合わせた評価・評定も行っております。

 不登校特例校は、学びへの意欲が高まり、集団を意識するようになったものの、様々な要因により在籍校への復帰が困難な子どもたちにとって重要な学びと支援の場であるととらえております。


質 問 ・教室の広さ、間取りは?

世田谷区教育委員会

 各学年1教室、職員室、プレイルーム、会議室、カウンセリングルームがあり、約600uです。


(4)授業について

質 問 ・具体的な時間割は?

世田谷区教育委員会

 不登校特例校分教室 時間割例が資料として配布された。朝のウォームアップ(特別活動・道徳)から始まり、午前の教科等の学習からお昼・昼休み、午後はキャリアデザイン学習(表現・探究・体験)オンライン、帰り前にクールダウン(特別活動・道徳)放課後にリ・ラーニングで(個別学習・家庭と連携した学習)


(5)その他

質 問 ・民間不登校支援者(フリースクールや親の会)や地域ボランティアとの連携はしているのか?している場合はどのような連携か?

世田谷区教育委員会

 地域社会等との連携については、現状まだ実施に至っていませんが、今後、不登校特例校分教室における多様な教育活動や体験の機会の充実、支援の充実等に向け、地域や大学、民間企業等の連携の在り方について検討を進めていく予定であります。

世田谷区の不登校対策の研修報告は終わり




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