つくば市議会議員 金子かずお
週刊・新社会つくば 金子さん町を歩く 議会報告

週刊・新社会つくば
2022年10月5日 第1,269号 発行:新社会党つくば支部

問題多いインボイス制度


色々な職種

 いま、免税事業者(課税売上高が、1000万円以下の、中小企業や個人事業主等をはじめ、消費税の納税義務がない事業者)にとって問題となっているのが「インボイス制度」です。インボイス「請求書」のことですが、インボイス制度におけるインボイスとは、普通の請求書ではなく、消費税法の要件権を満たした請求書=「適格請求書」ひしょうのことです。

◎インボイス制度とは

 消費税は、事業者が消費者等から預かった消費税から、事業者自身が仕入等により支払った消費税を差し引いて(仕入税額控除)納付する仕組みになっています。しかし、インボイス制度では、このインボイスがなければ仕入税額控除が受けられません。

 このインボイス制度は2023年10月1日から開始される予定で、「適格請求書発行事業者」として事前の登録が必要となり、その登録申請受付が2021年10年1日から始まっています。


◎インボイス制度の問題点

1 、免税事業者に大きな不利益
 インボイス制度が開始されても、免税事業者はインボイスを発行できません。そのため、第一に、免税事業者は仕事が減る可能性があります。取引先はインボイスを受け取れず、仕入税額控除の適用を受けられなくなるため、消費税を余分に払うことになり、取引先は免税事業者に発注しなくなるからでです。

 第二に、免税事業者は消費税分の報酬を減らされ、採算が取れなくな可能性があります。取引先は発注する場合に、余分に払う消費税分を様々な名目・形式で値引きするよう求めてくる可能性があるからです。 免税事業者数は508万、全事業者858万の59%を占め、その内425万が個人事業主で、法人は83万と推定され、それらの経営悪化が懸念されます。


2 他事業者にも不利益
 インボイス制度は、免税事業者だけでなく、他の事業者にも不利益を招く可能性があります。第1に、新たなコスト負担を強いることです。免税事業者に限らず、すべての事業者において、財務だけでなく各種システム変更等によるコスト負担が生じるという問題もあります。

 第2に、簡易課税制度の見直し議論につながる危惧があります。実際に、フランスやドイツでは簡易課税制度自体を廃止・縮小しています。売上高のみで納付税額を計算する簡易課税制度を選択する事業者が、課税事業者の35%の114万者いいると言われています。第3に、シルバー人材センター等の公共的団体もインボイスの影響を受けています。会員への配分金でインボイスを受けられないからです。


◎大企業は税金軽負

 他方で、大企業でに対しては様々な減税措置が講じられ、実質税負担率は中小企業より低いと言われています。公認会計士の千葉啓氏は、このように、主に中小規模への負担を直接的・間接的に増大させるインボイス制度だが、「コロナ禍」で社会全体が混乱し、経済が疲弊している中でも、極めて問題点の多いインボイス制度を予定通り推し進めようとする政府の姿勢が極めて問題である。と強く指摘しています。

パソコンでお仕事


会計年度任用職員処遇改善要求


コロナ禍で格差の拡大がさらに進み、実業・収入減少等に悩む市民が少なくありません。

官製ワーキングプア

 茨城県内においても、非常勤の職員である、会計年度任用職員の処遇改善を求める声が大きくなっています。「官製私ワーキングプア」と呼ばれ、常勤職員の半分以下の報酬で、雇用期間は1年で不安定であり、退職金もありません。


モチベーション(やる気)

 ある自治体では職員数の半分近くが非常勤である会計年度任用職員が占める状況であるとききます。つまり、非常勤の職員の果たす役割は大きく、非常勤職員のモチベーション(やる気)は市の公共サービスの質に大きく影響します。報酬・雇用期間・福利等の処遇改善は不可欠です。また、非常勤職員採用における年齢制限の緩和も、非常勤職員にとっては切実な多大です。


最賃引き上げを

 フルに働いても年収180万円程度です。民間でも非正規が約4割を占める中、「結婚の壁」と言われる300万円を超えるために最低賃金を時給1500円以上に引き上げること。





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